元世勲・前国情院長=16日、ソウル(聯合ニュース)
元世勲・前国情院長=16日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国情報機関、国家情報院(国情院)の大統領選挙介入疑惑の真相究明に向けた16日の国会国政調査特別委員会の聴聞会で、証人として出席した元世勲(ウォン・セフン)前国情院長と金用判(キム・ヨンパン)前ソウル警察庁長が共に訴訟中であることを理由に証人宣誓を拒否した。
 1948年の憲法制定に伴い国政調査および国政監査制度が導入されて以降、証人が出席しないケースはあったものの、出席した証人が宣誓を拒否するのは初めてとされる。国会関係者は聯合ニュースの取材に対し「憲政史上前例がない初めてのこととみられる」と述べた。
 午前に出席した金氏は「証言が外部に伝わる過程で真偽が歪曲(わいきょく)されたり誤解されたりした場合、裁判に影響を及ぼす」と述べ、「原則的に証言を一切しない」と証人宣誓を拒否した。
 午後に出席した元氏も「真実をありのまま証言する」とした上で、「裁判と直接的に関係することがある」と述べ、宣誓を拒否した。
 国会での証言・鑑定法3条1項によると、証人が刑事訴訟法148条または149条の規定に該当する場合、宣誓や証言または書類提出を拒否できると定められている。ただ、証人として拒否の理由を説明する必要がある。金氏と元氏が証言を拒否した根拠として提示した刑事訴訟法148条によると、証人は刑事訴追または起訴されたり、有罪判決を受ける懸念がある証言を拒否できると規定している。
 疑惑の中心人物とされる2人が宣誓を拒否し消極的な証言を行ったことを受け、最大野党・民主党の議員は「国民を冒?(ぼうとく)するものだ」と批判。与党セヌリ党の議員は「証人の基本的権利、人権を保障して(国政調査を)進めるべきだ」と擁護した。
 セヌリ党は昨年末の大統領選でインターネット上に民主統合党(現民主党)の文在寅(ムン・ジェイン)候補を中傷する書き込みをするよう職員に指示した罪で起訴された元氏と、国情院への捜査を縮小・隠蔽(いんぺい)するよう圧力をかけたとされる金氏が証人となることに難色を示していた。民主党側は疑惑解明のためには2人の証言が不可欠だとして両党は激しく対立していた。

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