映画「ジスル」
映画「ジスル」
済州4・3抗争(1948年4月3日、在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁支配下にある韓国・済州島で起こった島民の蜂起にともない、南朝鮮国防警備隊、韓国軍、韓国警察、朝鮮半島本土の右翼青年団などが1954年9月21日までの期間に引き起こした一連の島民虐殺事件)を扱った韓国映画「ジスル」が、済州島での観客が3万人を超える見込みだ。

 16日、映画振興委員会(KOFIC)映画館入場券統合ネットワークによると、去る15日まで済州島内の劇場で「ジスル」を観賞した観客は29999人と集計され、「ジスル」はこの日午後7時、済州映画文化芸術センターで1回上映される予定であるため、3万人突破は確実とみられる。

 「ジスル」は幕を下ろしたが、島民社会各界の要請が相次ぎ、先月25日から済州映画文化芸術センターが休館となる月曜日を除き、1日に1回ずつ上映されている。

 同映画が、済州で観客3万人を突破することは、意味深いこととされる。「ジスル」制作チームは「4.3事件で3万人もの犠牲者を出したということを知ってもらい、犠牲者の数だけ都民らが映画を見て、犠牲者全員に思いを届けるということで、済州での観客目標を3万人と決めていた」とし”済州で3万人が映画を見る”運動を展開していたのだ。

 オ・ミョル監督は公開前の記者懇談会で「私たちが目標にした済州観客3万人は、九天をさまよう4.3の英霊たちの歩みであり、島の泣き声」と意味を語っていた。

 そして、今回の3万人突破間近の知らせに「ジスル」の制作を手掛けたコ・ヒョクジンプロデューサーは「数回、再上演をしても『ジスル』を見にやって来る人々が安定していることは、4.3という歴史に対する関心が高いことを感じる」として「映画を見た都民3万人が、4.3犠牲者の3万人のために祈りを捧げてくれたのだろう」と分析した。

 「ジスル」は、ことし3月1日に初めて済州で公開され、3月21日に全国でも封切られた。14万人を超える観客が集まり、国内の独立映画では最多となる観客数を樹立した。

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