統計庁によると、2011年に可処分所得のジニ係数は0.311だった。この指標は1に近いほど所得の分配が不平等、0に近いほどその反対を意味する。リーマン・ショック前の2007年(0.312)に比べると不平等さはやや緩和し、2008~2010年も0.310~0.314の間で動き、さほど悪化していない。
また、統計庁と韓国銀行(中央銀行)、金融監督院の家計金融調査を基に計算した純資産でも、ジニ係数は2011年に0.632と、前年の0.643より悪いものの、2006年(0.643)に比べると大幅改善した。これらを根拠に、韓国では二極化が深まっていないとの主張がある。
一方で、統計的な錯覚にすぎないとの反論が出ている。祥明大学のユ・ギョンウォン教授はある寄稿文で、資産のジニ係数改善の裏に個人負債の存在があると指摘した。不動産など非金融資産での不平等性が緩和され、資産の不平等性も改善したように見えるという。
2006年に0.715だった居住住宅のジニ係数は、2011年に0.700に緩和した。しかし、負債のジニ係数は0.710から0.801に大きく悪化している。個人が借金をして不動産を買っていることになる。
個人負債は1000兆ウォン(約69兆円)突破も間近で、このうち100兆ウォンが今年満期を迎える。10%以上の高金利の借り入れの比重も、リーマン・ショック後は高水準を維持している。
借り入れの返済余力は縮小傾向で、韓国銀行の調査では回答者の89.6%が「元本返済が生計に負担を与える」と答えた。不動産市場の停滞と相まって、持ち家はあっても住宅ローンに苦しむ「ハウスプア」を量産するなど、韓国経済に大きなリスクとなりかねない。
韓国経済研究院のイ・ジュンヒョプ研究委員は「個人の債務返済能力を育て、負債をなくすことが重要」と指摘した。
Copyright 2012(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0