韓国の尹錫悦 次期大統領当選者は「大統領府の移転」を明らかにした(画像提供:wowkorea)
韓国の尹錫悦 次期大統領当選者は「大統領府の移転」を明らかにした(画像提供:wowkorea)
韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領当選者は5月10日の新政府発足が迫る中、「大統領府の国防部(防衛省)庁舎への移転」を公式に宣言した。

ユン氏は「帝王的権力の象徴」であるチョンワデ(青瓦台)に入らず、「働く大統領」として国民との疎通のため、大統領府の「ソウル・ヨンサン(龍山)移転」を決断した。青瓦台は、韓国政府発足以降74年の歴史に幕を下ろし、公園として国民に全面開放されることになる。

ユン氏と大統領職引き継ぎ委員会がどのようにして大統領府の龍山移転をきちんと行ない「働く大統領」「国民と疎通する大統領」として初めの一歩を踏み出すのかに、国民の関心が集まっている。「龍山大統領府」の成功的安着が、新政府発足における国政動力確保のカギになるものとみられる。

しかし、目の前の課題はかなり手強いものだ。移転費用問題と与党“共に民主党”の反対・安保空白の懸念などだ。「龍山移転」により、ユン氏のリーダーシップと与野党の協治・国民疎通などが試されることになりそうだ。

ユン氏は大統領府の龍山移転を決定することで、争点を正面突破する特有の決断力を示した。ただ「クァンファムン(光化門)移転」公約不履行への批判や「国防部も宮廷だ」という反対世論を説得することが宿題として残されている。さらには「与野党との協治」も問題だ。172議席の巨大野党となる共に民主党は、大統領府の移転を猛烈に反対している。

ユン氏は移転費用を496億ウォン(約48億7000万円)と提示しているが、共に民主党と現政府の一部は「数千億ウォンの追加費用がかかるだろう」と主張している。また、新型コロナウイルス感染症事態により生活が困難となった国民たちを説得することも重要だ。

加えて、国防部庁舎に大統領府を移転することで、国防部の主要部署が再配置されることよる「国家安保の空白」への懸念も払しょくしなければならない。

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