「就職もできないんです」…「薄毛は社会的疾病、健康保険を適用すべき」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「就職もできないんです」…「薄毛は社会的疾病、健康保険を適用すべき」=韓国報道(画像提供:wowkorea)
共に民主党青年選挙対策委員会「ダイナマイト」が「脱毛症治療薬健康保険適用」の公約化を決めた。民主党のイ・ジェミョン(李在明)大統領候補が3日、AGA(男性型脱毛症)治療薬の健康保険適用について「積極的に検討する」と明らかにし、これを公約化するための措置として懇談会を開いた。青年選対委は薄毛を「社会的疾病」と位置づけ、政府が一定の支援を行なうとともに、健康保険が適用されるべきだと主張した。

民主党青年選対委は5日午後ソウル市マポ(麻浦)区にある党本部で「青年薄毛非常対策委員会招待懇談会」を開き、薄毛を経験している7人の市民を招待して話を聞いた。この席には、保健福祉委員会所属のキム・ウォンイ議員とパク・ジュミン議員とチョン・ヨンギ議員が出席した。

2人の子どもを育てている30代の女性チョンさんは「子どもを産んで『黄飛鴻(中国の武芸者兼医師)』というニックネームがついた」と話し、「子どもを産んでから病院に行こうと思っていたが、子どもにかかる費用も多く、自分の髪の毛のためにお金を使うのが申し訳なく、費用を見て治療をあきらめた」と吐露した。

30代男性は中学2年生当時から脱毛を経験したが、「中学2年から約2000万ウォン(約190万円)を治療費にかけた。当時は両親が支援してくれたが、精神的負担も多く、今は治療していない」と語り、「就職する時も『薄毛の写真のせいでだめなのか』と思ったりもした」と困難を訴えた。

キム議員は「脱毛は社会的病症でもある」とし、「実際に痛みはないが、ストレスと疎外感によって社会的関係に影響を及ぼしうる。就職、恋愛など社会に進出する際に影響を受ける」と説明した。

続いて「政府による支援はあるが、脂漏(しろう)性皮膚炎によるものやストレス性円形脱毛による疾患以外には健康保険が適用されていない」と述べた。

キム議員は「2020年に脱毛症で治療を受けた人は23万人で、そのうち20代が4万8000人で30代が5万2000人」とし、「社会進出にあたって苦痛を経験するが、この社会的疾病に対して政府がサポートしなければならない」と主張した。

さらに「現在1年の脱毛症治療薬の売上高は1100億ウォン(約106億円)だが、健康保険を適用させる際、10%~30%程度の自己負担で済めば、政府は770億ウォン(約74億円)程度の負担で済む」とし、「社会的疾病に苦しんでいる方々のために、770億ウォンの支援もできないのか」と反問した。

また「保険が適用されれば利用する人が増えるため(製薬会社では)適正利潤を下げるために薬価も安くなる」とし、「社会全体でサポートすることが可能になる」と強調した。

一方、疾病ではなく美容目的で脱毛症治療薬を保険適用で処方を受けた時、インプラント・歯列矯正や美容のためのニキビ治療などの健康保険適用可否に対する公平性と同様の懸念があるという質問にキム議員は「社会的合意を通じて持続的に検討する」と明らかにした。

また薄毛のための支援よりも就職や社会進出などの分野に支援すれば良いのではないかという指摘には、「社会的関係のためだという点を(韓国社会が)もう少し理解する必要がある」とし、「痛みはないが、関係断絶と疎外感から来る心の苦痛は計り知れないため、社会的包容力を発揮しなければならない」と伝えた。
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