富士フィルム、医薬品CDMOに6000億円投資=韓国報道(画像提供:wowkorea)
富士フィルム、医薬品CDMOに6000億円投資=韓国報道(画像提供:wowkorea)
富士フイルムが、医薬業界のTSMCになるという抱負を掲げた。グローバル半導体供給難により、全世界から注文が押し寄せる、世界1位のファウンドリ(半導体委託生産)企業である台湾TSMCのように、富士フイルムも医薬品委託生産能力を育てるという戦略だ。

15日、日本経済新聞は「富士フイルムが委託開発生産(CDMO)に、合計6000億円を投じ、攻勢をかけている」と報道した。

CDMOは、委託生産(CMO)と委託開発(CDO)を併せ持つ概念であり、バイオ医薬品開発と製造サービスを同時に提供することを意味する。医薬品を開発したが研究開発(R&D)やマーケティングに集中するために生産はおこなわない製薬会社や、医薬品製造専門知識や技術が足りない製薬会社から注文を受け、バイオ医薬品を代わりに生産するのがCDMOに該当する。

半導体生産能力をもとに、全世界を相手に交渉力を高めたTSMCのように、医薬品材料の生産技術に強みを持つ富士フイルムは「医薬業界のTSMC」を狙っている。

富士フイルムがCDMOに専念する理由は、市場が大きくなるという期待からだ。リサーチ&マーケットは、CDMO市場が2024年には2410億ドル(約27兆3,192億円)規模に成長し、2020年に比べて50%ほど膨れ上がると予測した。

実際に医薬品業界でCDMOが拡大する傾向だ。スイス製薬会社ノバルティスはことし8月、米国内の遺伝子治療剤工場を、日本ガラス製造業者であるAGCに売却した。 AGCは昨年6月にも、英国製薬会社アストラゼネカの米国工場を買収した。森貴宏みずほ証券アナリストは「医薬品メーカーは、複雑で高度化された生産技術に対する投資優先順位を下げている」とし、バイオ医薬品業界では今後も分業が続くと見込んだ。

ただし、富士フイルムがCDMO強者に生まれ変わるためには、越えなければならない山がある。全世界バイオ医薬品CDMO市場シェア1位のスイスのロンザ(25%)と2位の韓国サムスンバイオロジックス(9.1%)だ。日経は、サムスンバイオロジックスが2兆5000億ウォン(約2500億円)を投資して、韓国ソンド(松島)5・6工場を建設すると、2022年の生産量が70%増えるとし、「特にサムスンは豊富な資金力をもとに、生産能力を増強している」と伝えた。

富士フイルムが持っている抗体生産量技術が武器になる。富士フイルムは2023年、英国の生産拠点で、抗体生産量を3倍高める新しい生産方式を導入する。このように設備投資は70%近く減らし、生産コストは30%下げる計画だ。CDMO事業部石川隆利副社長は「新しい生産技術がゲームチェンジャーとなり、業界トップの地位を占める」と述べた。

富士フイルムは2025年3月、CDMO事業の売上高が、今年3月の2倍である2000億円になると見ている。その後も年20%の成長を目指すという計画だ。

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