中国系芸能人の「中国籍復帰」への動きが相次ぐ…国内での排他的民族主義台頭を受けて=台湾報道(画像提供:wowkorea)
中国系芸能人の「中国籍復帰」への動きが相次ぐ…国内での排他的民族主義台頭を受けて=台湾報道(画像提供:wowkorea)
中国国内での芸能人への締め付けが厳しくなる中、中国系芸能人の国籍変更が相次いでいるという。

 最近になって、歌手・俳優のニコラス・ツェー(謝霆鋒)がカナダ国籍の放棄を発表した。また、女優のコン・リー(鞏俐)もシンガポール国籍の放棄を発表している。

 コン・リーは2008年にシンガポール人男性と結婚し、シンガポール国籍を取得した。その後、この男性と離婚し別の男性と結婚したが、シンガポール国籍は変更していなかった。彼女の国籍については中国国内でたびたび問題となっていたが、本人は「個人の選択」として多くを語ってこなかった。そのため、今回彼女がシンガポール国籍を放棄して中国国籍を申請したことに対し、驚きの声が上がっている。

 国籍変更を決断した芸能人はコン・リーだけではない。この数か月の間に中国国籍への変更(予定)を公表した芸能人は他にも、ニコラス・ツェー、ジャッキー・チェンの息子として有名なジェイシー・チャン(房祖名)、映画監督チェン・カイコー(陳凱歌)の息子チェン・フェイユー(陳飛宇)らがいる。ニコラスとジェイシーは両親の移民によりそれぞれカナダ国籍とアメリカ国籍になっていた。チェンはアメリカで生まれたため、もともとアメリカ国籍だった。

 このほか、アクションスターのジェット・リー(李連傑)はアメリカ国籍を取得後、現在はシンガポール国籍となっているが、再び中国国籍の取得を希望していると伝えられている。

 国籍変更を公表せず、ひそかに中国国籍への変更を申請している芸能人も多数いると見られている。

 中国国内では、芸能人の国籍問題はしばしば批判の対象となる。批判の理由としては、彼らが「外国人」となって国外での生活を選んだにもかかわらず、中国国内で金儲けをしていることが言及される。中国で2010年に行われた調査によると、70%近い人が外国籍を持つ中国系芸能人が中国で活動して大金を稼いでいることに反感を持っているという。

 芸能人たちの中国国籍への変更が相次いでいる背景には、中国国内で排他的な民族主義的感情が高まる中、国籍問題で起こりうるトラブルへの懸念があるものと思われる。

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