韓国検察、「生後16か月養女虐待死事件」で死刑求刑した養母の日常的な虐待を公開(画像提供:wowkorea)
韓国検察、「生後16か月養女虐待死事件」で死刑求刑した養母の日常的な虐待を公開(画像提供:wowkorea)
韓国検察は、昨年養子縁組をしてから継続的に虐待して生後16か月の女児を死亡させた容疑で拘束起訴された養母に対して最高刑となる死刑を求刑し、女児にとって家庭は地獄同様だったと主張した。

 検察はこれを裏付ける女児が受けてきた日常的な虐待の様子をうかがわせる証拠を法廷で公開した。

 ソウル南部地裁で14日におこなわれた殺人および児童虐待致死容疑の養母(35)と児童福祉法違反などの容疑の養父(38)に対する結審公判で、検察は養母が日常的に犯した虐待の状況証拠を提示し、養母に死刑、養父には懲役7年6か月を求刑した。ただ、養母は前回の公判と同じく、暴行や虐待の事実は認めながらも、娘を殺す意図はなかったと主張した。

 この日検察が提示した防犯カメラの映像などの証拠からは、養母が首や片方の手首だけをつかんで、まるで物をつかむかのように娘を持ち上げ、エレベーター内の細い手すりに座らせたまま、自分の髪をいじくる場面が登場。検察は「情緒的な虐待を超え、養母が被害者に対する身体的な完全性を無視する態度を見せている証拠だ」と説明した。

 また検察は女児の体重の推移をもとに、深刻な栄養失調状態だった点を強調した。「養子縁組される前の昨年1月の体重は8.9kgだったが、その年の9月には生後5か月レベルの8.5kgに過ぎなかった。WHOの基準に照らし合わせてみても、子どもの体重は成長しながら増加し続けるが、減少はしない」と指摘した。

 養母は、いわゆる“離乳食イヤイヤ時期”で女児がきちんとご飯を食べなかったため、体重が減ったと説明したが、検察は昨年9月、夫から送信された「口に入れることがトラウマになっていないよな?」という携帯電話のメッセージを証拠として提示し、女児がご飯を食べなくなったきっかけが虐待である可能性を提起した。

 検察が再び「ご飯を口に入れないからと、暴行したり虐待したりしたことはないのか」と聞くと、養母は「娘を叩いたことがあり、腹も立てた。一生懸命に作ったご飯を食べず、反抗しているようだったので腹が立った」とトラウマが自分の行為のせいで始まった可能性はあると証言した。さらに死亡当日、女児を暴行したのもご飯をちゃんと食べなかったからだと明らかにした。

 検察は養父母が女児を放置していた状況も繰り返されていたと述べた。最大4時間まで家に一人でいさせたこともあったという。検察は「一般的に保護者なら幼い子をこのように(一人に)するのは想像もできない。被害者の健康や安全について関心がなく、無責任で、子どもがどうなっても関係ないと考えているからだ」と批判した。

 女児が死亡した日も放置されていたのだ。養母は「死亡当日、女児の両腕を大きく揺らし、腹や背中を手で強く叩きつけた後、持ち上げて強く振り落とした」と証言したが、検察は「致命的な暴行後、状態がよくないことを知りながら、長女を幼稚園に登園させ、被害者を放置した点を振り返れば、養母に殺人罪の未必の故意が認められる」と述べた。

 検察は女児の死亡後の養母の姿にも注目した。養母は医師から女児が死んでしまう可能性があるという話を聞いても、オンラインコミュニティーの練り物共同購入の文章にコメントを投稿した。また死亡した翌日には、他の子の母親に会って長女と遊び、練り物の共同購入を勧めたりもしたという。3回の児童虐待通報後と、家宅捜索当日には数百件のメッセージを削除した状況も明らかになった。

 同時に養母は女児死亡の翌日、知人に「神様が天使を必要とされているようだ」というメッセージを送っていたことが分かった。検察は「自分自身の行為で子どもが死亡したにもかかわらず、“神様”を言い訳にしながらまるで運命だったかのような態度を見せた。犯行を否認し、罪を悔い改めていない」と指摘した。

 養母は一部の虐待と暴行の事実を認めているが、検察の主張にあったような「足で踏みつけたことはない」と主張。「たくさん大声で怒鳴り、頭や肩、腹もたくさん叩いた。拳で殴ったり、子どもを投げたり、踏みつけたりした事実はない」と述べた。また死亡当日、放置していたという主張についても「あの時は、そんなに危険な状態だと思えなかった」と反論した。

 さらに養母は「死亡当日も子どもがつらそうにしていたが、憎んだり、死んでほしいと思ったりしたことは絶対にない。想像もできないことだったので、子どもが死のうが死ぬまいが関係ないと思ったこともない」と女児を殺す意図は全くなかったと強調した。続けて虐待の事実を夫にも隠し、夫には裏切られたと思わせて悪かったと涙を流した。

 養母側の弁護人は「子どもを殺そうと思ったことはない。身勝手な主張だと分かってはいるが、養母は当時、死亡の可能性を分からなかったようだ」と弁論。続けて「悪魔だと描写されているが、悪い人ではない」と他の裁判との公平性を考慮して善処してほしいと訴えた。

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