WFPの北朝鮮事業関連ホームページ(WFPのHPより)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
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【ソウル聯合ニュース】韓国政府が今年に入り、北朝鮮への人道支援などのために南北協力基金からの支出を決めたものの、執行していない金額が全体の4割を占めていることが10日、分かった。未執行分の中には世界食糧計画(WFP)を通じたコメの支援など、北朝鮮の冷淡な態度で推進が中断した事業が多く含まれている。

 最大野党「自由韓国党」のユ敏鳳(ユ・ミンボン)国会議員が統一部から提出を受けた資料によると、韓国政府は今年に入って南北交流協力推進協議会を7回開催し、基金から計921億2500万ウォン(約82億3000万円)の支出を決めた。このうち、8月末までに執行した金額は計495億4900万ウォンで、決定額の53.8%にとどまった。未執行額は計364億1400万ウォンで、決定額の39.5%に上る。ただ、北朝鮮・開城にある南北共同連絡事務所の運営経費61億6200万ウォンの執行状況を明らかにしておらず、執行額は多少増えるとみられる。

 執行が推進されていない背景には南北関係が膠着(こうちゃく)状態に陥っている影響もあるとみられる。未執行額の大部分はコメ5万トンの支援のために決めた予算(272億6000万ウォン)だ。北朝鮮は7月末、韓米合同軍事演習を理由にコメの受け取りを拒否し、事業は中断したままだ。

 執行した金額の中でも北朝鮮の消極的な態度により、現実化されていない事業が複数ある。北朝鮮へのコメの運送や分配、モニタリングなどのためWFPに送った1177万4899ドル(約12億6100万円)も使用されていない。タミフル支援(35億6000万ウォン)や離散家族映像再会推進事業(30億9400万ウォン)も冷え込んだ南北関係の影響で実行されていない。

 今年、基金が使用された事業のうち、北朝鮮に物資が渡されたりしたのは6月、栄養支援・母子保健事業ためWFPと国連児童基金(ユニセフ)に拠出した800万ドル程度となっている。

 南北交流が活発だった昨年の未執行額は決定額の約11%だった。


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