アジア通貨危機というと、国民による貴金属寄付の運動を真っ先に思い出す人も多い(資料写真)=(聯合ニュース)
アジア通貨危機というと、国民による貴金属寄付の運動を真っ先に思い出す人も多い(資料写真)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】韓国の国民の多くが、1997年末に発生したアジア通貨危機は就職難や所得の格差拡大など韓国社会にマイナスの影響を及ぼしたと認識していることが分かった。政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)が14日、アジア通貨危機の発生から20年を機に韓国の満19歳以上の男女1000人を対象に実施した意識調査の結果を発表した。 アジア通貨危機が現在の韓国に及ぼす影響(複数回答)を尋ねたところ、88.8%が非正規雇用問題の増加を挙げた。次いで、公務員や教師など安定した職を好む傾向を生んだとする回答が86.0%、所得格差の拡大が85.6%、就業難の深刻化が82.9%と集計された。消費者心理が萎縮(57.8%)、暮らしの質が低下(43.3%)などの回答も多かった。 アジア通貨危機が韓国経済に与えたマイナスの影響については、所得の格差・貧富の格差の拡大など二極化の進行が31.8%で最多だった。大量失業・若者の失業など失業問題(28.0%)、非正規職の拡大(26.3%)などが続いた。 プラスの影響を尋ねると、24.5%が構造改革を通じた大企業・金融機関の健全性向上と競争力向上を挙げた。節約志向の消費文化の広がり(23.1%)や、企業経営と社会全般の透明性の向上(22.7%)なども評価された。 全体の59.7%は、アジア通貨危機が自分の暮らしにマイナスの影響を与えたと答えた。当時の職業でみると、大学生や自営業者、農林・畜産・水産業従事者でこうした回答が多い。一方、プラスの影響があったとの回答は8.0%にとどまり、32.3%は影響がなかったとした。 当時に経験したり感じたりしたこと(複数回答)については、64.4%が経済危機による心理的な萎縮を挙げた。国家観の変化(57.5%)、就職の方向性や投資に対する価値観の変化(54.9%)、家庭環境と暮らしの質の変化(51.2%)、家庭環境の変化による心理的な萎縮(49.0%)などの回答も多かった。 この50年間に韓国経済が経験した最も困難な時期として、アジア通貨危機を挙げた人が全体の54.7%を占めた。26.6%は2010年代の低成長を挙げた。 一方、アジア通貨危機から20年を経た現在の韓国の最も重要な課題を問うと、経済面では雇用創出と雇用の安定性の強化(31.1%)、新たな成長エンジンの発掘など競争力の引き上げ(19.2%)が挙がった。社会面では不正腐敗を取り除くことを通じた信頼の醸成(32.7%)、少子高齢化への対策づくり(32.5%)が求められていることが分かった。
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