「氷の国華川ヤマメ祭り」の模様=(聯合ニュース)
「氷の国華川ヤマメ祭り」の模様=(聯合ニュース)
【華川聯合ニュース】韓国北部、江原道華川郡で今月4日に開幕した「氷の国華川ヤマメ祭り」には、国内外から毎年100万人を超える観光客が訪れる。
 15日(現地時間)に米ABCテレビのニュースで祭りの様子が取り上げられたほか、これまでに24カ国・地域のメディアで紹介された。
 人口約2万5000人の華川郡は北朝鮮との軍事境界線に近く、河川や山林が全体の面積の91%を占める。
 軍事境界線に近いため人口よりも軍人のほうが多い軍事都市で、地域開発にはさまざまな規制が伴う。
 地域商圏は休暇などで街に出てくる軍人や面会に来た家族が消費する「軍人経済」に依存しなければならず、交通インフラも整備されていないため産業誘致も難しい状況だ。
 華川郡と住民らは自らの力で地域活性化策を見いださなければならなかった。 そこで目をつけたのが、中心部から車で5分も走れば見えてくる山や川。夏は美しい風景が広がるが、冬になると厳しい寒さが襲い市街地を流れる華川は厚さ30センチほどに凍る。
 郡守の鄭甲チョル(チョン・ガプチョル)氏は2003年1月、雪に覆われた山と凍りついた渓谷、そして清流にのみ生息するヤマメを結びつけ「氷の国華川ヤマメ祭り」を開催した。
 知名度のない山奥の街に22万人もの観光客が訪れた。2004年には50万人、2006年には100万人を超えた。2009年には米タイム誌に聯合ニュースが取材した祭りの写真が掲載され、海外でも知られるようになった。
 昨年は138万人が訪問し、これまで11年間に訪れた外国人観光客の数は10万人を超えた。
 形だけの祭りにとどまらず、住民らの手で地域の祭りとしての新たなスタイルを作り上げた。
 民間から専門家を招き専門性を高め、企業を取り込むことで行政ではなく住民らが主導する祭りを目指した。
 住民らは祭りの開催目的を常に意識していた。地域経済の活性化につなげるため、2006年に祭りの商品券を発行。入場料と引き換えに地域の商店で使える商品券を配り、農産物などの購入を促した。
 その結果、2000人分以上の雇用が生まれ、高齢者らは祭りの会場を飾るヤマメをモチーフにした灯籠を作り所得を得ている。
 昨年の祭りでは農産物の売上高が約11億ウォン(約1億円)に達した。江原発展研究院は、直・間接的な経済効果が1366億ウォンに上ると分析した。
 今年は韓国を代表する祭りに指定された。今後、中国・ハルビンの氷祭り、日本・札幌の雪まつり、カナダ・ケベックのウインターカーニバルのようになれる可能性を持つ冬の祭典に成長した。 
 鄭氏は「世界的な祭りとして成長し続けるために、文化や芸術を合わせた総合文化芸術祭に発展させていきたい」と話した。
 祭りは26日まで、23日間にわたり約60種類の多彩なプログラムが行われる。20日現在、80万人を超える観光客が訪れ、今週末には100万人を突破するとみられる。

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