商店街で偽造紙幣の識別法を説明する韓国銀行関係者=(聯合ニュース)
商店街で偽造紙幣の識別法を説明する韓国銀行関係者=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が偽造紙幣を防止するため、本格的な対策づくりに乗り出した。
 若者を中心に高額紙幣の偽造などの犯罪が増加しているが、犯行手口が巧妙なために検挙実績は極めて低調だ。
 韓国銀行関係者が30日、具体的な対策を提示した。紙幣偽造にかかわる年齢層が低いことを考慮し、若者が頻繁に利用するポータルサイトに「偽造紙幣根絶」のバナー広告を掲載することにした。紙幣偽造の違法性や識別方法などを伝える予定だ。10月にも掲載を始める。
 また、偽造されにくくするため、紙幣の材質改善に取り組む。水につけても分離しないような材質にする作業に取り掛かったようだ。
 先月には「偽造貨幣管理システム」の構築作業に着手した。これまでは体系的なデータベースがなかったが、1億8000万ウォン(約1248万円)を投じ、偽造紙幣の特徴や紙幣番号、犯罪の手口など関連情報を管理するシステムを年内に開発する。警察庁や金融機関、国立科学捜査研究院などと共有する計画だ。 
 韓国銀行の取り組みの背景には、紙幣偽造への危機意識がある。上半期(1~6月)に摘発された5万ウォン札の偽造枚数は220枚で、2009年の5万ウォン札導入後で最多となった。7月にはソウル市内で20代の若者らが2億7760万ウォン相当の5万ウォン札を偽造して摘発されている。
 一方、韓国刑事政策研究院によると、2009年の通貨偽造犯罪の検挙率は4.19%で、暴力犯罪(検挙率95.7%)と窃盗犯罪(69.7%)とは比較にならない水準だ。通報率も1%未満にとどまる。

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