【モスクワ聯合ニュース】4日のロシア大統領選で当選を確実にしたプーチン首相による対朝鮮半島政策は、過去2期や現メドベージェフ政権から大きな変化はないと予想される。
 朝鮮半島問題に関与し南北と等距離外交を保つという原則を維持すると同時に、ロシアが最近重点を置くシベリア・極東地域開発に向け、その必須条件となる北東アジア地域の安定化と地域各国との協力強化を目指す。朝鮮半島問題に対し、より積極的に介入する政策を展開するとみられる。
 プーチン氏は大統領1期目の2000年、朝鮮半島政策について、米日中の周辺大国と同等に朝鮮半島問題に介入し、南北とは等距離外交を保つという方向性を提示した。対北朝鮮関係と対韓国関係の足並みをそろえることを原則に、南北分断現象による機会と利益をうかがった。エリツィン政権の外交は韓国偏重だったが、プーチン氏は北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談を重ねるなど、南北均衡外交に努めた。
 南北、米朝、韓米間それぞれに存在する矛盾を最大限活用してロシアに不利な力学構造を能動的に克服し、最終的にはユーラシア大陸の安定管理に向け、朝鮮半島を北東アジア、さらには欧州と有機的に統合させるマクロ戦略を追及するものだった。
 プーチン政権は活発な訪問外交と全方位的な経済実利外交を通じ、失墜したロシアの存在感と影響力を強め、経済的な実利を追求しながら朝鮮半島戦略を整えていった。北朝鮮経由の朝鮮半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道の連結事業に大きな関心を示し、エネルギー分野ではロシア産天然ガスを韓国に輸出しようと、北朝鮮を通るガス管建設事業も積極的に検討した。
 こうした政策基調は2008年からのメドベージェフ政権にも引き継がれた。北朝鮮とは政治・外交上の伝統的な友好関係を維持しながら朝鮮半島への影響力確保のてことし、同時に韓国とは経済協力関係を焦点に実利外交を重視した。政権後半には、北朝鮮核問題で高まる朝鮮半島の緊張を緩和する方策として、ガス管や鉄道連結などの南北露協力プロジェクトを積極的に推進した。金総書記の死で一時停滞しているものの、依然として意欲的だ。
 プーチン氏は3期目、この外交政策の大枠を維持しながら、ロシアにとって重要性の増すシベリア・極東地域開発事業と緊密に関係する朝鮮半島情勢の安定化に力を注ぐ見通しだ。シベリア・極東地域開発をロシアの当面の課題である経済近代化のけん引役にする考え。今年同国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を同地域への投資誘致の好機とみなすロシアにとって、北東アジア地域の安定は外交・安保政策の最優先順位となっている。
 朝鮮半島状況はその北東アジア安保の核心だ。北朝鮮核問題に関しプーチン氏は先ごろ、北朝鮮の野望を受け入れられないとする一方、核問題解決の過程で米国や韓国をはじめとする国際社会が北朝鮮の新指導部に圧力を加えることをけん制した。
 非核化に向けた方法論として、政治・外交的協力を通じた対話優先原則を堅持している。対話の具体的な形式には中国が主導する6カ国協議を支持。これを朝鮮半島と北東アジアの平和体制を保障するための多国間協議機関へと発展させたい考えだ。その背景には1994年の第1次北朝鮮核危機の際にロシアが排除され、南北と米中の4カ国の枠組みとなったことで存在感を失墜したという手痛い経験がある。
 実用主義の観点では、ロシアが朝鮮半島問題に介入するにあたり、北朝鮮と築いてきた関係を効果的に活用できると自覚している。北朝鮮との友好関係を維持、発展させる方向に向かうことになりそうだ。
 韓国とは政治外交的に緊密な関係を維持し、経済面ではシベリア・極東地域開発への実質的な寄与が期待できるパートナーとして協力関係を強化すると予想される。日本との領土問題、中国の膨張主義への警戒など懸案があるだけに、政治・経済的に最も協力関係を築きやすく信頼できる相手として、韓国に注目している。

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