【ソウル聯合ニュース】韓国は成長率や外債規模、財政健全性などのマクロ指標は「良好」である一方、所得分配や男女平等など社会統合部門では改善が必要と指摘された。また、若者や女性の低い経済活動参加率や長時間労働などが根深い問題となっていることが浮き彫りとなった。
 企画財政部が4日に発表した「2011年国家競争力報告書」で明らかになった。
 報告書によると、韓国の2010年の経済成長率は6.2%で、経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国中2位を記録し、2009年の5位から上昇した。経済規模は10位を維持した。
 口蹄疫(こうていえき)や国際的な原材料価格上昇などを受け物価上昇率が高まったが、経常収支や外債規模、財政健全性などマクロ安全性指標は「良好」と評価した。
 韓国の短期外債の割合は37.5%で、31カ国中16番目に低く、2009年の25位から改善。外債の国内総生産(GDP)に占める割合も35.5%で、31カ国中最も低かった。OECD平均は287.2%だった。
 為替相場の安定性は2009年の32カ国中30位から、2010年は23位と順位を上げた。外貨準備高は2918億ドル(約22兆3723億円)でOECD2位を維持した。政府の財政数値は32カ国中4位を記録し、財政健全性で強みをみせた。
 一方、1人当たりの名目GDPは2万759ドルで34カ国中26位となり、米国など先進国の半分の水準にとどまった。
 経済活動参加率は34カ国中27位と低く、年平均の労働時間は2193時間で33カ国中最も長かった。低い経済活動参加率と雇用率を長時間労働で補完する構造のため、労働生産性は27位にとどまった。
 青年層の就職率は23.0%で34カ国中28位、女性の経済活動参加率は54.5%で30位だった。
 社会福祉への支出は33位だったのに対し増加率は34カ国中4位で、急速に福祉支出が増加していることが分かった。
 所得格差の程度を表す指数「ジニ係数」は30カ国中20位、貧困率は34カ国中6番目に高く、所得の不平等が際立った。女性の賃金割合も19カ国中で最低を記録するなど、男女不平等が最も深刻だった。
 保健・医療分野では医療費の支出水準が30カ国中3番目に低かった。
 共同体構成員間の信頼度は19カ国中13位、法治に対する認識は34カ国中25位、腐敗指数は30カ国中22位にとどまり、社会資本のぜい弱性が浮き彫りになった。
 報告書は「韓国は経済部門が先進国並みの水準であるのに対し、社会統合部門がぜい弱」と指摘。経済成長を持続しながら生活の質を改善し、外面だけでなく内面を充実する必要があると強調した。
Copyright 2012(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0