【チューリヒ1日聯合ニュース】サッカーの2022年ワールドカップ(W杯)招致を目指す韓国のW杯誘致委員会は1日、スイス・チューリヒの国際サッカー連盟(FIFA)本部で、最終招致演説を行った。
 オーストラリアに続き2番目に演説を行った韓国は、5人の登壇者で臨んだ。まず、李洪九(イ・ホング)元首相が、65年前に南北に分かれ世界最後の分断国として残っている韓国だが、韓国国民は南北統一に対する夢を捨てていないとし、「W杯招致はアジアの新たな平和の時代をもたらす」と強調した。
 1946年にソウルと北朝鮮・平壌での京平サッカー大会が最後に開催されたが、再び開催されることを望んでおり、サッカーの力を借りて朝鮮半島の平和と共生をつくるべきだと訴えた。
 李元首相に続き、サッカー韓国代表で英プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドに所属する朴智星(パク・チソン)選手が「情熱の遺産」をテーマに熱弁した。サッカーは人生のすべてだと語った朴選手は「背が低く、偏平足にもかかわらずプロの選手に成長できたのは、W杯の力だった。2022年にはサッカーの現場にいないかもしれないが、サッカーボールとは離れない。世界の子どもたちが夢をかなえることができるよう力になりたい」と述べ、支持を訴えた。
 3番目は金滉植(キム・ファンシク)首相が登壇。韓国政府は2022年W杯を成功裏に開催する意志があり、万全の準備ができているとアピールした。
 4番目に登壇した韓昇洙(ハン・スンス)W杯誘致委員長は、「既に開催都市12か所と競技場14か所を選定した。すべての競技場で最高の技術力を見せたい」と発表。また、グローバルサッカーファンドを造成し、7億7700万ドル(約653億円)を投資する計画を明らかにし、「韓国は未来を建設している。韓国を再発見してほしい」と強調した。
 最後に鄭夢準(チョン・モンジュン)FIFA副会長が、サッカーを通じた朝鮮半島の平和定着の必要性を訴えた。先ごろ朝鮮半島の平和を壊す状況が発生したが、これは朝鮮半島の現実を示してはいるものの、近い将来に歴史の流れが変わるだろうと述べた。韓国での2022年W杯開催は、朝鮮半島周辺の環境をすべて変える機会となるとし、「世界のサッカーが試合以上の意味を持っていることを見せたい」と語った。
 W杯誘致委は招致演説で、韓国の自然の美しさ、サッカーの基盤施設を広報する映像を上映し、韓国のW杯開催に対する意志を伝えた。

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