【ソウル18日聯合ニュース】外国人が韓国で治療を受け支払った金額が上半期に約3割増加した。一方、韓国人が先進国で治療を受け支払った金額は4割減り、海外治療収支赤字はほぼゼロに迫った。
 韓国銀行が18日に発表した国際収支統計によると、1~6月の健康関連旅行収入は4050万ドル(約38億3000万円)で、昨年同期の3090万ドルより31.1%増加した。上半期ベースの健康関連旅行収入は2006年が2390万ドル、2007年が3150万ドルに増えた後、昨年は1.9%の増加にとどまったが、ことしは急増した。
 一方、上半期の健康関連旅行支出は4330万ドルで、昨年同期の7200万ドルより39.9%減少した。上半期ベースの健康関連旅行支出は2006年が5170万ドル、2007年が6520万ドルと推移し、昨年は前年比10.4%の増加を記録したが、ことしは急速に減少した。ウォン安で海外治療費が増加した上、景気低迷に伴う所得減少で治療余力が落ち込んだためとみられる。
 このため、健康関連旅行収支赤字は、上半期ベースでことしは280万ドルにとどまった。赤字規模は2006年が2780万ドル、2007年は3370万ドル、2008年は4110万ドルだった。
 上半期に外国人が韓国で治療を受けるケースが増えた理由は、価格や技術などの面で国内医療界の競争力が高まったことが第1に挙げられる。
 保健福祉家族部によると、年初から4月までに国内21の大型医療機関で診療を受けた外国人患者数は9075人で、昨年同期の6872人に比べ32.1%増加した。米国人が3043人で最も多いが、中東(167.9%増)、ロシア(96.0%増)、日本(82.6%増)なども大幅に増えている。特に産婦人科の利用者増加率が最も高く、眼科、歯科、皮膚・整形外科など、美容関連での増加も著しい。産婦人科は米日よりサービスが良く価格も低いことから韓国で出産するケースが多いと、同部は説明する。新型インフルエンザで国家間移動が少なくなったなかで外国人患者が急増したのは、それだけ国内医療サービスが好評を得ていることを意味すると評した。
 また、1月の医療法改正で、ことしから外国人患者の誘致・あっ旋が可能になり、病院側の海外マーケティングが活発になったことも、「韓国遠征治療」の急増に寄与した。ソウル大学病院など6か所では、改正医療法が施行された5月の誘致外国人患者数が昨年同月に比べ41.3%増加している。
 ただ、韓国を訪れる外国人患者が増え、海外に出ていく韓国人患者が減ったのは、為替変動の影響によるもので、長期的な流れに結びつくのは難しいとの見方もある。韓国銀行関係者は「米国などへの支払いが減り、日本などからの収入が増えているのは、昨年上半期に比べ大幅にウォン安・ドル高が進んだ影響が大きいと見なければならない。健康関連旅行収入の拡大が続くかは不透明だ」と指摘している。

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