韓国が日米に続き、皮膚細胞を利用し患者に合わせた人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作る技術を確立した。
 済州大学の幹細胞研究センターと未来生命工学研究所の朴世必(パク・セピル)教授チーム、建国大学動物生命工学科のチョ・サング研究チームは1日、マウスの体細胞からiPS細胞を作ることに成功し、国内・国際特許を出願したと明らかにした。

 研究チームは、レンチウイルスをベクターとしマウスの体細胞に注入した結果、体細胞からiPS細胞を確立し、このiPS細胞から肝、神経、筋肉細胞を分化させることに成功した。現在はヒトの体細胞からiPS細胞を作る研究を進めており、遠からず研究結果を発表する見通しだ。研究チームは、日米研究陣と同様に遺伝子を注入する方法を用いたが、既存の研究に比べ効率が高いとしており、患者に合わせた幹細胞の商用化研究で優位に立てるだけでなく、付加価値の創出にも大きく貢献するものと見込んでいる。

 体細胞からの幹細胞生成は、卵子を利用しなくても患者に合わせた幹細胞を作るという技術で、倫理的な問題を伴わないことからクローン胚芽幹細胞の代案として注目されている。日本では、京都大学の山中伸弥教授チームが昨年末、ヒトの大人の皮膚に遺伝子を導入するだけで胚性幹細胞(ES細胞)に似たiPS細胞を生成する技術を開発した。また同日、世界で初めてES細胞を作成した米ウィスコンシン大学のトムソン教授も、同じ方法でiPS細胞を生成する論文を発表している。

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