前編では、言語、交通機関、食事、酒、歴史について触れたが、後編ではさらに話題を広げてみよう。(写真提供:ロコレ)
前編では、言語、交通機関、食事、酒、歴史について触れたが、後編ではさらに話題を広げてみよう。(写真提供:ロコレ)
今回は、韓国についてまだよくわからない人のために、韓国という国の基本的なことを説明する記事を掲載している。前編では、言語、交通機関、食事、酒、歴史について触れたが、後編ではさらに話題を広げてみよう。


〔6.長幼の序〕
 朝鮮王朝時代(1392~1910年)に儒教が国教だった影響で、今でも韓国では儒教的な価値観が浸透している。その1つが「長幼の序」。年功序列が浸透していて、年上を敬うことが重要な社会規範になっている。電車の中で若者が老人に席を譲る光景が日常的に見られる。

〔7.情が深い人々〕
 韓国の人は、一度知り合いになると何十年もの親友のような付き合い方をする。相手の懐に深く入っていくし、表面的な付き合いを好まない。気取りがあまりないのである。

 また、韓国の人は感情の起伏が烈しいが、総じてエネルギッシュだ。人が集まると、街はうるさいほどに賑わう。お店から大音響の音楽が聞こえ、車のクラクションがひっきりなしに鳴る。まさに、ソウルの東大門(トンデムン)市場の賑わいは、韓国のエネルギーを象徴している。


〔8.徴兵制について〕
日本と韓国の大きな違いは徴兵制の有無。これほど鮮明に両国の現代社会の違いを浮き彫りにするものはない。

 韓国では、兵役法によって「韓国の男子は兵役義務を誠実に遂行しなければならない」としっかり規定されている。女子の場合は、志願によって現役兵にかぎって服務することが可能だ。

 まず、韓国の男子は19歳になる年に徴兵を受けるように決められている。そして、現役兵として入隊の対象になるのは、高卒以上の学歴を有して身体検査の等級が1級から3級までの者である。

 この人たちはすぐに入隊する義務を負うが、本人の入隊希望時期を考慮してもらえる場合がある。

 たとえば、大学生の場合は学業が中途半端な時期に入隊するわけにもいかないので、多くは1学年か2学年を終了したときに休学して兵役につく場合が多い。

 なお、兵役期間は陸軍と海兵隊が21か月、海軍が23か月、空軍が24か月となっている。


〔9.日本以上の超学歴社会〕
 文を尊ぶ韓国は世界で類を見ないほどの学歴社会だ。企業側の採用は名門大学卒業生に偏り、しかも大卒と高卒の賃金格差が甚だしい。教育熱心な親も多く、その期待に応えようと高校生たちは熾烈な受験戦争に挑んでいく。

 なにしろ、大学進学率は80%を越えるというから驚く。

 めざす大学の筆頭は国立のソウル大学。いわば「韓国の東大」で、韓国のあらゆる分野にエリートを送り込んでいる。私立の両雄である延世(ヨンセ)大学と高麗(コリョ)大学も有名。女子大なら私立の梨花(イファ)女子大学が名高い。


〔10.韓国人の姓〕
 韓国の姓は、父系の血統を表している。そのために、女性は結婚しても姓を変えない。この点は日本とまったく異なっている。

 最も多い姓は、金(キム)で人口の21・6%、以下、李(イ)が14・8%、朴(パク)が8・5%、崔(チェ)が4・7%、鄭(チョン)が4・4%。この5大姓だけで人口の54%を占めているという。その集中ぶりが凄いので、韓国では姓だけでなくフルネームで人名を呼ぶのが普通だ。


文=「ロコレ」編集部
(ロコレ提供)

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