ソウル青年政策委員会のキム・マンギ共同委員長(画像提供:wowkorea)
ソウル青年政策委員会のキム・マンギ共同委員長(画像提供:wowkorea)
輸出主導で成長する韓国産業に「赤信号」が灯った。1992年の中韓修交直後、中国に留学し中国の現場で事業をし、大学と企業で教育しながら中国について学んできた筆者としては、今日のように残念な時はない。経済的ウィンウィン(win-win)の関係により始まった中韓関係は、その競争関係において今や韓国の未来産業まで脅かされる状況となった。技術力とコストパフォーマンスを備えた中国の企業たちの躍進により、韓国の産業競争力が「非常事態」となったのだ。

サムスンの携帯電話の世界市場占有率1位をはじめとして、現代自動車グループの世界販売量上位圏への進入やKビューティーのブランド力上昇などは、まぶしい成果である。しかし残念なことに、世界最大の消費市場として浮上している中国での成績は悲惨である。かつて20%の占有率を誇っていたサムスンのスマートフォンは現在1%未満で、その存在感は消えさった。現代自動車グループもかつて約180万台の販売量を記録していたが、2020年には約50万台へと急減している。

中国における輸入化粧品の市場占有率が1位だった韓国化粧品も、中国市場で日本とフランス製品に追いやられ、また中国現地ブランドに追い越されている。中国の基礎化粧品市場占有率10代ブランドに、いまや韓国化粧品は含まれていない。ブランドパワーをもった先進国の製品と、品質・デザイン・コストパフォーマンスまで備えた中国製品の間で、韓国は「サンドイッチ」状態にある。

中国市場での質的下落の理由をについて、ある人は「サード(THAAD:終末高高度防衛ミサイル)配置後の、韓国製品に対する不買運動のためだ」と言う。サードによるダメージは否定できないことは事実だが、サードのせいだけにするには無理がある。米中貿易戦争の中でもテスラ・アップル・スターバックスは中国市場で善戦している。日中関係の悪化にも、日産・ホンダ・トヨタは健在である。

また別のある人は「リスク回避のため中国への輸出依存度を減らし、市場の多角化を講じるべきだ」と言う。輸出の多角化は必要だが、中国市場での競争を避け他の市場に目を向けたとしても、根本的な問題が解決されるわけではない。シャオミやファーウェイのように競争力をもった中国企業たちが、世界市場でも追撃してきているためだ。

中国は、韓国の未来産業であり世界最高の技術力をもった電気自動車・バッテリー・ディスプレイ(LCD)分野を追い越しつつある。人工知能・ビッグデータ・自動運転車・量子コンピュータなど4次産業革命の核心分野においては、米国を追い越しつつある。中国はいまや、韓国の追撃者ではなくすでに追い越した者として、韓国を相対的に墜落させている。

韓国の政界では我先に「青年の雇用創出」と「4次産業革命の先導国」を叫んでいるが、韓国の産業競争力強化のための具体的な代案は見えない。産業競争力が引き上がっていない状態で、青年たちの雇用を創出し、4次産業革命の先導国になることが可能なのかは疑問である。

ソウル青年政策委員会のキム・マンギ共同委員長

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