先日、教室で講師やスタッフと世間話をしていたら、 こんな韓国語を聞きました。
「여동생이 층간소음 때문에 이사갔어요.」
(ヨドンセンイ チュンガンソウmテムネ イサガッソヨ/
妹が階間騒音のために引っ越ししたんです)
この「チュンガンソウm」が最初聞き取れず、聞き返しました。
「층(チュン)」は、일 층(イrチュン/一階)、이 층(イチュン/二階)、などの
「階」のことですが、「층(チュン)」自体の漢字は、[層] です。
(韓国の階は、一層、二層、と数えます)
階層間の騒音? マンションやアパートの上に住んでいる人の足音など?
と思いましたが、先生の解説によると、上の人に限らず、隣の人、
アパートのドアの向こう側に住む人が出す騒音…… とにかく集合住宅で
聞こえる様々な騒音に対してこう言うそうです。
日本語にはこういう名詞はない…ですよね。 冒頭の文章を翻訳するとなると、
「妹が(マンションの)騒音問題で引っ越ししたんです」 等になるででしょうか…。
初めて聞いたので、「へぇ~」と言っていると、「 以前はなかった言葉だと思う。
最近、個人主義的な若者が増える風潮の中で生れた印象がある」 とのことでした。
それを聞き、留学時代に住んでいた(よく言えば) 賑やかな韓国の学生街の
下宿が懐かしく感じられました。そう、 私もそこを引っ越した理由の一つに
「階間騒音」の問題があったのです。 今となっては良い思い出ですが…。
いま韓国の学生街の下宿は健在なのでしょうか。でも、 このような単語が
生れた背景を考えると、 下宿はもう人気がないのかもしれませんね。
少し寂しくも思います。
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- <著者:幡野 泉>
アイケーブリッジ外語学院代表。「All About 韓国語」ガイド。 早稲田大学第一文学部卒業。延世大学校韓国語学堂6級修了。同韓国語教師研修所第20期修了。2008年 韓国雄弁人協会主催「第13回世界韓国語雄弁大会」にて統一部長官賞受賞。16年の第21回同大会において国務総理賞受賞。著書 『すぐに使えるシゴトの韓国語』 (アルク)、『シゴトの韓国語 基礎編』 『シゴトの韓国語 応用編』(三修社)、『リアルな日常表現が話せる! 韓国語フレーズブック』(新星出版社)など。翻訳書に『無礼な人にNOという44 のレッスン』(白水社)がある。
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