統一部は同日、「デノミから2年」という北朝鮮についての評価資料を公表。旧通貨と新通貨の交換比率を100対1とし、実施したデノミについて分析・評価した。
これによると、コメの価格はデノミ直後、1キログラム当たり20~40ウォンだったが、今年11月には同3000ウォン程度まで上昇。デノミ前の2300ウォン水準より高くなっている。コメの供給量が減少した上、インフレ期待が高まり物価は上昇しているという。
北朝鮮ウォンの価値も大きく下落した。対ドルレートはデノミ当時の1ドル=35ウォンから3800ウォンになった。デノミ当時は外貨の使用を禁止したためウォン高になったが、昨年2月に使用禁止を撤回したため為替レートが大きく変動した。
中国の人民元に対してもウォンは大幅に安くなった。このため北朝鮮で多く出回る中国製品の価格が上昇し、インフレに拍車をかけた。
デノミによって北朝鮮労働者の名目賃金は100倍になったが、食料や生活必需品の高騰で住民の生活苦は続く。労働者の月給は3000ウォン程度だが、4人家族の生活費は月約10万ウォンとも言われる。
北朝鮮はデノミ当時、市場での輸入品、工業製品の売買を禁止し、公営市場の活用を推進したが、昨年2月に市場統制を緩和した。
統一部当局者は「デノミの失敗で住民は政策に対する不信感を強め、統制力は弱まった。強盛大国入りを目指す当局には痛手だ」と述べた。
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