映画「エイリアン・ビキニの侵略」は地球を滅亡へと陥れる恐ろしいエイリアンがやって来るところから始まる。そのエイリアンとは、ビキニを着た美女。彼女が求めているのは、純潔の精子。そして、一人の男に狙いを定めた。ひとり立ち向うのは、30年間童貞のピュアな青年・ヨンゴン。生涯にたった一日だけ子供の産める体となった美女エイリアンは、純潔の精子を手に入れるため、あらゆる手段を使って襲い掛かる。誘惑に負けることは地球滅亡を意味する。刻々と過ぎる24時間というタイムリミットのなか、真に愛する人に出会うまで己の貞操を守ることを誓ったヨンゴンは、美女エイリアンの誘惑に耐え、地球を守ることができるのか。奇想天外なアイディアと鮮烈なビジュアルセンスで描く、誰も見たことのないSFサバイバル・ムービーだ。
美女エイリアンを体当たりで演じるハ・ウンジョンのセクシーな魅力、ピュアな青年を演じるホン・ヨングンがノースタントで挑む壮絶なテコンドー・アクションも見どころだ。
今回、同映画を手掛けたオ・ヨンドウ監督のオフィシャルインタビューが届いた。1975年生まれのオ・ヨンドウ監督は1995年から映画業界で働き始め、2007年、「クリスマスを切る」で監督デビュー。翌年、所属する映像製作集団キノマンゴスチンが自主制作したオムニバス・ゾンビ・ホラー「隣のゾンビ」で、第1話と2話の演出を担当した。「隣のゾンビ」は「プチョン国際ファンタスティック映画祭」で観客賞、審査員特別賞を受賞し、これがきっかけとなって、「韓国インディーズ映画界の雄」として高い評価を得ることとなる。
<b>-今回、このような何でもありの作品を作ろうと思ったきっかけは。</b>
最初はエイリアンを撮ろうとか、ビキニを撮ろうとかいった目的もなく、シナリオもありませんでした。主演のホン・ヨングンさんの腹筋を見て「これを映画にしよう」と思い立ったんです(笑)。そこにたまたま(ハ・モニカ役の)ハ・ウンジョンさんが遊びに来て、彼女をキャスティングすることになり、彼らと一緒にリハーサルをしながらストーリーを固め、映画を撮り始めました。だから、脚本ありきでふたりを起用したのではなく、まずふたりを主役に据えてから中身を考えたんです。
<b>-主演のホン・ヨングンさんとは、付き合いが長いそうですね。</b>
彼とは軍隊で知り合いました。わたしの最も古い友人のひとりです。
<b>-最初からエロティックな映画を撮りたいという意志があったのですか。</b>
先ほども言いましたが、まず企画の出発点が「ホン・ヨングンの肉体」だったものですから(笑)。肉体とエロティシズムは切り離せないものです。実際そこまでエロティックな映画だとは思いませんが、わたし自身、そういう要素を正面から描くのは初めてだったので、大きなチャレンジでした。個人的にはアクション映画がいちばん好きなんですが…。
<b>-アクションシーンの演出は確かに素晴らしかったですね。</b>
アクション担当の3人の俳優は、元々武術に精通している人たちで、ひとりは異種格闘技の試合で5戦5勝しています。だから、夜中に町なかで撮影していても恐いものなしでした(笑)。
<b>-ハ・ウンジョンさんのセクシー美女エイリアンっぷりが何しろ最高だったのですが、彼女に会った瞬間「この人を脱がしてみたい!」とか思ったわけではないんですか。</b>
それはあまり考えませんでした(苦笑)。企画を思いついた時、相手役としてウンジョンさんが適任だと思ったんです。キャスティング時には、映画の内容を簡潔に伝えて、やる気があるかどうか尋ねました。「君がOKしなければ、この映画は作らなくてもいいかと思っているんだ」という話もしましたね。
<b>-彼女の貢献度は高かった?</b>
もちろん。脊髄からエイリアンが出てくるという案や、ふたりがジェンガみたいなゲームをしたらどうかという案も、彼女から出てきたものです。彼女に限らず、この映画はスタッフ・キャスト全員で一緒に作ったものだと考えています。例えば、ハ・モニカが黒板を爪でこする場面は、わたしがトイレに行っている間に、俳優たちが芝居からカメラアングルから何から準備を整えていたんです。戻ってきたら、あとはカメラを回すだけという状況でした。
<b>-かなり女性不信に満ち溢れた内容のように思いましたが。</b>
女性不信というよりは、むしろ男性不信について描かれた作品だと思います。映画の序盤では、彼の精子を奪おうとするというプロットがメインに描かれていますが、究極的には男性の無能ぶりが露呈する物語だと思います。劇中に登場する男たちはことごとく無能であり、エイリアンの実態についても完全には把握していない。つまり男は何も分かっちゃいないんだ、ということが描かれています。
<b>-「キック・アス!」や「スーパー!」といった、近年流行のヴィジランテ・ヒーロー(自警団)映画は意識しましたか。</b>
というより、逆にそれとは違うものを撮りたかったんです。この映画ではとても皮肉な状況が描かれます。町を守るヒーローのように登場した主人公が、結局、強姦魔のような行動を犯してしまう。英雄的に振る舞いながら、その役割を全く果たせず、結局は誰も救えないというアイロニーに注目したんです。
<b>-カメラワークや色彩設計など、ビジュアル的にも見応えがありました。低予算でも画に手は抜かないぜ、という意気込みを感じました。</b>
映画というのは基本的に「楽しむ」ものだと思っています。ビジュアルも重要な「楽しみ」の一要素です。私は美術スタッフとしても商業映画の現場に携わっていたので、美術にはこだわりがありますし、その時の経験が今の映画作りにも活かされていると思います。今回の作品でも、シナリオはありませんでしたが、作品のイメージに関してはみんなが共有し、それを土台に作っていきました。
<b>-すでに次回作も撮り終えられているそうですね。</b>
意識したわけではないんですが、次の作品も「時間」という概念を扱ったSF探偵アクションになります。「探偵」という要素に関しては、林海象監督からアイディアをいただきました。
<b>-最後に、日本の観客に向けて、何か一言お願いします。</b>
日本の観客の方々に観ていただけるということ自体、とても有り難く思っています。難しいテーマを扱った作品ではないので、気楽に楽しんでほしいと願っています。
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