フライングで失格となったウサイン・ボルト(右から2人目)=28日、大邱(聯合ニュース)
フライングで失格となったウサイン・ボルト(右から2人目)=28日、大邱(聯合ニュース)
【大邱聯合ニュース】世界陸上競技選手権大邱大会では、男女の短距離競技でフライングによる一発退場が相次いでいる。1回目のフライングで即失格処分となることが妥当なのか、賛否を巡り論争が過熱している。
 「地球上で最速の男」ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が28日、男子100メートル決勝でフライングにより失格になるなど、今大会開幕2日目で8選手が失格処分を受け、スタート前に姿を消した。


 男子100メートルのドウェイン・チェンバース(英国)、2008年北京五輪女子400メートル金メダリストのクリスティーン・オールグー(英国)ら、大物スター選手らもボルト同様フライングで失格となり、今大会のために捧げた2年間の努力が水泡に帰した。
 今大会最高のスター、ボルトまでフライングで失格となるや、海外の有力マスコミでは、国際陸上競技連盟(IAAF)はフライングの失格要件を緩和すべきではないかとの論争が始まった。
 IAAFは昨年1月から、1回目のフライングで即失格となるようルールを厳格化した。それまでは1回目は許容され、2回目にフライングした選手を失格処分にしていた。現行ルールの導入後、今大会が初めての世界選手権となる。
 ボルトの衝撃的な失格を目撃した一部の陸上関係者やマスコミからは、一発失格で走る機会すら与えられないのは厳しすぎるとして、「1ストライクアウト」方式の現行ルールを緩和すべきだとの意見が出されている。
 1997年アテネ世界大会男子100メートル優勝、今大会100メートル銅メダリストのキム・コリンズ(セントクリストファー・ネイビス)は、「1度のフライングくらいは見逃してもいいのではないか」と同情論を寄せた。
 ただ、現行ルール続行を主張する声は多い。フライングが選手の士気を削ぐのに悪用される例が後を絶たないとして、選手が集中力を発揮すれば、十分にフライングを防ぐことができるとの理由からだ。
 男子100メートル金メダリストのヨハン・ブレーク(ジャマイカ)と銀メダリストのウォルター・ディックス(米国)は28日、フライングによる失格は外部の要因というより、選手自らが興奮して引き起こした出来事であるとして、現行ルールの維持に賛意を示した。彼らは、フライングによる無念の失格を回避するため、スタートラインに立つ選手自身がより高度の集中力を発揮するしかないと口をそろえる。
 韓国陸上競技連盟の関係者は、「フライング要件を以前のように緩和させると、選手たちの集中力が乱れ、新記録の樹立にかえって妨げとなる」と話した。また、「結局、短距離競技は一発勝負」として、スタートの瞬間に最大限の集中力を発揮するには現行ルールが望ましいと語った。
Copyright 2011(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0