【ソウル9日聯合ニュース】「サムスングループ全体に不正腐敗が横行している」――。サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長のこの発言は系列会社に対する大々的な監査と人事刷新が行われることを予告している。
 李会長は9日午前8時ごろ、長男の李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子社長とソウル・瑞草洞のサムスン電子本社に到着。待ち受ける報道陣の方に自ら向かい「質問があれば」と先に口を開いた。
 4月末から毎週火・木曜日に定期出勤しているが、自ら報道陣に声をかけたのはおそらく初めて。これまでは固く口を閉ざしたまま、執務室に入っていた。この異例の行動は「言いたいことがある」という意味に解釈できる。
 サムスングループでは前日、光学機器や軍事機器などを生産するサムスンテックウィンで不正が発覚し、呉昌錫(オ・チャンソク)社長が辞任している。サムスン側は具体的な不正内容を明らかにしていないが、李会長は「サムスンの誇りだったクリーンな組織文化が毀損(きそん)された」と大激怒したという。
 李会長はこの日、「サムスンテックウィンで偶然に発覚しただけで、グループ全体に不正腐敗が横行しているようだ。ここ10年間順調に成長して安心しているからこうした現象が表れる。わたしも心配で、これを本格的に問題にしてみようと思う」と強調した。
 サムスンテックウィンでの不正は氷山の一角にすぎず、ほかの系列会社でも不正がまん延しており、これを徹底的に調べるとの意味だ。李会長は不正腐敗の中でも、部下を巻き込んで不正を働くことが最も悪いと指摘した。
 サムスンはまず、未来戦略室と系列会社の監査チームを再編し、機能を強化する作業に入るとみられる。ただ、李会長が指摘した問題は捜査当局に依頼するほどではなく、内部で解決できる問題とサムスン関係者は説明した。

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