原油価格の高騰とウォン高の進行など、対外環境が韓国経済に大きな負担となる中、毎年4月になると同様の現象が繰り返されていることが分かり関心を集めている。
 韓国銀行と財政経済部が19日に明らかにしたところによると、2004年から今年まで、毎年4月に原油価格と為替相場が不安定となり、その年の韓国経済の見通しを暗くしているという。

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 2004年4月はイラク戦争による情勢不安から原油価格が高騰したほか、中国政府の緊縮政策発言による「チャイナ・ショック」から、韓国経済に影響が起きるという危機感が高まった。当時中東産ドバイ原油の価格は1バレル35ドル前後で、1990年の湾岸戦争以来14年ぶりの高水準を記録していた。また中国の温家宝首相が「インフレ抑制のために中国の成長にブレーキをかける必要がある」と発言したことから、中国への依存度が高まっている韓国をはじめとした各国を緊張させた。この影響で総合株価指数は3%近く暴落するなど、国内の金融市場は一気に冷え込んだ。

 昨年4月の場合も、原油価格、為替相場、北朝鮮の核問題が重なったことから、景気回復の見通しにも冷や水を浴びせかけた。原油価格は初めて1バレル50ドルを突破し、原油を100%輸入に頼っている韓国経済に暗い影を落とした。またドル相場も1ドル=900ウォン台とウォン高が進み、韓国経済の大黒柱ともいえる輸出に大きな打撃を与えた。さらに北朝鮮の核実験準備説が広まったことも景気回復に影響した。

 今年も「4月の亡霊」は繰り返されており、ドル相場は1ドル=950ウォン台、ウェスト・テキサス・インターミディエイト (WTI)は70ドルを越えるなど、悪材料が重なっている。

 こうしたことから、韓国開発研究院(KDI)は、今年の経常黒字見通しを当初の124億ドルから41億ドルまで大幅に引き下げている。また下半期から景気が下降曲線を描く可能性についても指摘している。

 韓国銀行関係者は「4月に特別なものがあるわけではないが、第2四半期最初の月だけに、悪材料が登場すると年間の経済見通しに影響がでるのは避けられない」と説明している。

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