大田市・大徳研究開発特区内の韓国電子通信研究院(ETRI)が第3世代(3G)移動通信システム「W-CDMA」から進化した、第4世代通信システム「LTE-Adbanced」の試作品を開発し、25日に世界で初めてサービスのデモンストレーションを行った。
試作品のデータ伝送速度は600Mbps(サービス有効速度440Mbps)で、現在サービス中の3G技術「HSDPA」に比べ40倍以上速い。下半期から商用化する「LTE」に比べても最大6倍以上の速度を実現した。屋外移動中に測定した下り方向伝送速度も120Mbpsで、高速移動中にも安定した超高速マルチメディアサービスが利用できる。
この新開発技術で、移動通信サービスユーザーは、いつどこでも自由に途切れることなく、超高速インターネットサービス、フルハイビジョン(HD)やウルトラHDクラスの動画・テレビ放送視聴、高品質のIP基盤テレビ電話を楽しむことができると期待されている。
また、従来の2G携帯電話や現在の移動通信サービスの主流となっている欧州のGSM方式、W-CDMA、HSDPAなどとの連動をサポートしており、国際ローミングも可能だ。
ETRIは、今回の技術開発で韓国メーカーは2015~2021年に、世界の端末機市場シェア40%を占め売上高346兆ウォン(約25兆5149億円)、基地局・ネットワーク装備市場はシェア15%で売上高16兆7000億ウォンを達成できるとの見通しを示した。ETRIでも4000億ウォン以上の技術料収入が見込まれる。
開発した技術は現在、韓国の中堅メーカーに移転し、商用化を進めている。韓国では2014年に商用化される見通しだ。
ETRIの金大埴(キム・デシク)所長は、欧米や日本など移動通信先進国が4G通信システムの開発でしのぎを削るなか、世界に先駆けデモンストレーションに成功し、移動通信大国・韓国を改めてアピールすることができたと評価。今後、本格化する4Gの次の世代の技術開発にも有利な立場に立ったと自信を示した。
この技術開発は、知識経済部の支援で、643億ウォンを投じ2006年から進められてきた。KTなど複数企業が共同研究に参加している。
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