1970~1980年代に留学や仕事で韓国に渡った在日韓国人を対象に、国軍保安司令部(現在の国軍機務司令部)が捜査していた「在日韓国人スパイ団事件」に対する裁判所の初の再審判決となり、類似事件の再審に影響を与えるとみられる。この捜査で懲役刑を宣告された人は110人余りとみられている。
裁判所は、捜査機関が男性を違法に拘禁した状態で拷問などを行い、自白を強要したとし、自白に証拠能力はないと判断した。また、当時の政府が反対勢力を抑えるため、日本で生まれ韓国を良く知らないこの男性を悪用し、でっち上げ捜査に利用したと指摘した。その上で、「権威主義統治時代に違法・不当な公権力行使で大きな被害を受けた被告へ、国が犯した過ちに心から許しを請う」と謝罪した。
1980年、日本・民族学校の韓国語教師になるためソウルに留学した男性は、高麗大学に通っていた際に国軍保安司令部に強制連行された。留学を装ったスパイを洗い出すための捜査で、拷問などで自白を強要され、1983年に懲役10年などを宣告された。5年8か月にわたり服役した後、刑執行停止で出所した。
Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0