【ソウル30日聯合ニュース】サッカー・ワールドカップ(W杯)が開催されている南アフリカで、韓国と北朝鮮による韓国哨戒艦「天安」沈没事件をめぐる神経戦が見られたと伝えられた。
 南アフリカ政府は、11日のW杯開幕式に同国に駐在する各国大使を招待した。韓国の金漢秀(キム・ハンス)大使、北朝鮮の安熙正(アン・ヒジョン)大使もこれに応じ、出席した。
 外交筋が伝えたところによると、金大使が手洗いに行った際、後を追いかけてきた安大使が金大使の腕をつかみ、「天安」沈没事件と関連し、「あまりこのようなやり方をするならば、われわれもただ見過ごしはしない」と脅すような口調で話したという。
 ある情報筋は30日、「天安」事件は北朝鮮の攻撃によるものと断定した韓国政府が、海外公館を通じ各国政府に対北朝鮮糾弾声明を出すよう訴えるなど外交戦を強化したことに対し、北朝鮮が不満を示したのだろうと話した。
 「天安」事件をめぐるアフリカ大陸での南北の対立はこれだけではない。朝鮮戦争開戦60年を迎え、国連参戦国として韓国を助けたエチオピアでは、テレビや新聞が韓国特集を集中報道したが、これを駐エチオピア北朝鮮大使館が同国政府に抗議したという。
 別の情報筋は「エチオピアは参戦国ながら1970~1980年代の社会主義政権時代に北朝鮮と親しくし、今も北朝鮮に冷たくはできない」と指摘。エチオピアが「天安」事件関連の糾弾声明を出さない背景には、そうした事情があると説明した。
 政府は「天安」事件以降、かつて非同盟圏として北朝鮮と近しくかった国が多いアフリカで外交戦を展開した。その結果、53カ国中ケニア、モロッコ、コンゴ、ボツワナの4カ国が対北朝鮮糾弾声明を発表した。
 外交通商部関係者は、アフリカ諸国の多くが北朝鮮との関係を考慮し声明を出さないのは理解しているとしながら、「対外的ではなくとも、公文書簡で韓国政府支持の立場を明らかにした国も多い」と伝えた。
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