強力な紫外線を遮断し生命体を保護する成層圏(地表から10~50キロメートル)のオゾン層が、ソウルでこの20年間に9.8%減少した一方、人体に悪影響があるといわれる対流圏(地表から10キロメートル以内)のオゾン濃度は7%程度増加したことが分かった。気象庁が24日、世界気象の日を記念して開催した朝鮮半島の気候変化に関する発表会での報告内容を明らかにした。
 延世大学の金儁(キム・ジュン)教授の発表によると、金教授と同大学のオゾン研究所が1984年から昨年末までソウル上空大気層のオゾン量を測定したところ、オゾン量は10年間で0.2%減少したと分かった。80年代の10年間は4.9%急減し、90年代は1.4%にとどまったが、現在はやや増加傾向にある。しかし、季節と太陽活動の変化など自然効果を考慮すると、オゾン層は人間の活動で減少が続いているという。

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 87年のモントリオール議定書採択に基づき、韓国はことしから世界のオゾン層破壊物質の生産・使用制限措置に賛同することになっており、その効果は2050年ごろ初めて現れるとされる。ただ、気象庁によると、今回明らかになったソウル上空のオゾン層の変化は、北半球の中緯度圏では平均的な値だという。

 金教授は、「空気中にオゾンが増えると疲労と頭痛、咳、息苦しさなどの症状が現れ、呼吸器の疾患にかかりやすい。中緯度圏では成層圏のオゾン量が1%減少すると、皮膚がんによる死亡者が4~8%増加するとの報告がある」と述べた。

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