事件現場の丘。燃えた芝(写真下部分)は元通りに復元されている=(聯合ニュース)
事件現場の丘。燃えた芝(写真下部分)は元通りに復元されている=(聯合ニュース)
【ソウル日聯合ニュース】国立ソウル顕忠院での故金大中(キム・デジュン)元大統領墓地の放火事件が、専門捜査チームの構成から3日で1か月を迎えたが、警察の捜査は足踏み状態が続いている。
 顕忠院では先月2日午前9時30分ごろ、金元大統領墓地裏手にある丘の芝の一部が焼けているのが発見された。管轄のソウル銅雀警察署は顕忠院内の監視カメラと容疑者のものとみられる指紋を確保し、一時は早期解決を期待したが、決定的な証拠がなく捜査は難航している。
 警察関係者は、「監視カメラに人々の姿が映っているが、容疑者と特定できない上、かなり距離があり、はっきり把握し難い」と話した。現場で発見された指紋も一部しか確保できず、決定的な証拠とするには無理があるようだ。また、事件発生時間帯に現場付近のコンビニエンスストアで酒を購入し、捜査線上にあがった男性も、事件との関連性が把握できなかったという。
 そのため、警察は事件発生前日の先月1日午前零時から同2日午後12時までの36時間、顕忠院周辺10基地局に残された通信記録25万件を分析している。放火時刻の2日午前5時5分ごろに金元大統領の墓地に近づいた人を選び出し、容疑者の範囲を絞る方針だ。
 しかし、疑いのある通信記録を発見したとしても、家宅捜索令状を取り、移動通信会社から顧客情報の提供を受けるのに1件当たり2週間程度かかるため、捜査の急進展は期待し難い。



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