【ワシントン15日聯合ニュース】米国では国内外の重要問題が山積し、韓米自由貿易協定(FTA)批准は優先順位で大きく取り残されているが、こうした状況を打開しようという動きが出始めている。
 民間シンクタンクのヘリテージ財団と韓米経済研究所(KEI)は15日にそれぞれ韓米FTA問題を主要議題とする討論会を開き、早期批准の必要性を強調する声を確認した。駐米韓国大使館と米国の財界も、早期批准に向けたムードづくりに本腰を入れる予定だ。米国の政策や国内政治状況からすると、来年初めには韓米FTA批准に向けた世論づくり作業を急ぐ必要があるとの判断されるため。
 ヘリテージ財団は15日、こう着状態の米貿易アジェンダの再始動をテーマに、FTAを締結しながら議会でまだ批准されていない韓国、パナマ、コロンビアから関係者を招き討論会を開いた。3カ国の代表が集まり米国にFTA早期批准の必要性を訴えるのは、オバマ政権発足後初めて。
 韓国からは韓悳洙(ハン・ドクス)駐米大使が代表として出席した。韓大使は、米国にとって韓国は7番目に大きな貿易パートナー、米サービス産業ではアジアで2番目に大きな市場だとし、米国の業界統計を挙げながら「韓米FTAが批准されれば、米国で24万人の雇用創出が可能」と指摘した。米国の失業率上昇を念頭に、FTA批准は韓国だけでなく、米国経済、特に雇用拡大に役立つ点を強調した。
 一方、米国における韓米FTAの意味をテーマにしたKEIのセミナーには、韓国大使館の崔鍾現(チェ・ジョンヒョン)経済公使が出席。基調発言で「FTA批准が遅れ続ければ、米国が各種の経済的恩恵にあずかれなくなるのはもちろん、北朝鮮核問題への対応と韓国との同盟関係発展という面でも良くない影響が生じかねない」と指摘した。
 米財務省と通商代表部(USTR)の高官でもあった専門家はこのセミナーで、「健康保険改革法案の議会通過後、来年初めに韓米FTA批准のチャンスが生まれる可能性がある」と述べた。この時期を逃すと、来年11月は米中間選挙が予定されているため、議会批准を期待するのはまた難しくなるとの見解だ。
 米国の貿易関連業界と韓国大使館では、米国で健康保険改革作業が完了しオバマ政権が国内政策の改革推進に自信をつければ、FTA批准にも目を向けるだろうという点に期待をかけているもようだ。
 韓駐米大使は、貿易振興に友好的な議員らに対しFTA批准を促す雰囲気づくりを働きかける一方、米国各地を回り現地同胞社会と米国の主要業界の意見をとりまとめるなど、批准に向けた世論活性化に乗り出す予定だ。米財界もまた、来月初めにワシントンで開催される韓米財界会議をはじめ、各種セミナーや討論会形式で、批准に向けたムードを高めていく計画。

Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0