畑村教授は、今回の経済危機を100年に1度の一般的景気サイクルで説明するのは不適合だと述べた。経済危機は過剰機能を備えた過剰品質の物を過剰生産したため発生したとし、世界中が過去型の価値基準に依存し、そこにばかり満足したことが原因だと主張した。代表的過剰ケースに、自動車、携帯電話、液晶パネルを挙げた。危機対応案については、社会の変化と、それに伴い必然的に生じるものに注目する必要があるとしながら、「事物に対する観点と価値観を変化させる必要があり、組織文化を変えなければならない」との考えを示した。
また、日本で生産する自動車の70%を外国で使用している状況は非正常だとし、こうした貿易立国の構造から脱皮しなければならないと強調した。特に、サムスンの経営戦略を「失敗学」的パラダイムで成功した代表ケースに挙げた。サムスンの戦略で最も重要なのは、「日本を模倣することを20年前にやめたこと」だと指摘。日本の場合、大きな魚を1度に数匹釣ろうとするが、サムスンは小さな魚がたくさんいるところに行こうという考えに変え、これを実行に移したと説明した。その結果、LGとサムスンはいくつかの分野を除き大部分の分野で日本の先を進み世界シェア1位を占めているとし、これは「大変衝撃的な結果だ」と述べた。
さらに、日本には絶対的品質というのが存在するとの考えを示した。低価格で良品質の単一製品ばかりを生産してきたが、サムスンはそうした製品だけにこだわらず、各地域の必要に応じた多様な製品を発売しており、そうしたコントロールを可能にしたのがデジタル化だと述べた。日本が同じデジタル化を行っても、サムスンのようにはいかないだろうと分析した。
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