保険業界が4日に明らかにしたところによると、今年初めに高速道路路肩での交通事故で死亡したサムスン電子副社長の遺族がこのほど、加害者が自動車保険に加入していた保険会社を相手取り損害賠償を求める訴訟を起こした。遺族側が提示した50億~60億ウォン(約3億9000万~4億7000万円)という金額は、当時55歳だった死亡者が60歳過ぎの定年まで数億ウォンの固定給を受け取るはずだったという前提で計算したものだとされる。
裁判所では通常、事故直前の所得水準や年齢などを基にしたホフマン方式で保険金を計算するが、今回の事故で遺族の意見が十分反映された場合、これまで国内の裁判所が決定した交通事故保険金額で最大だった35億1000万ウォン余りを上回ることになる。
判決で鍵となるのは、サムスン電子の副社長クラス役員の年俸と、定年をどのように迎えるかだ。会社員の場合は所属先の就業規則に記された定年を基準とするが、契約職の役員は定年がないため、見方次第で残余勤務期間が大きく変わってくる。役員は通常1年契約を結ぶため、現在の契約期間だけを認めるとすれば、残余期間は1年足らずだ。ただ、サムスン電子の役員は一般に、退職後も顧問や諮問役として1~3年間は在職時給与の相当部分を保障されるという点を考慮すると、残余勤務期間は長くなる。さらに、インセンティブが通常給与として認められるかどうかも、金額算定に大きな影響を及ぼす可能性がある。
今回の訴訟について保険会社関係者は、訴訟の進み具合に基づき対応するとだけ答え、特に立場を明らかにしていない。
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