ナノレンズはカリックスハイドロキノン分子の自己組織化を通じて形成された(左)。光学顕微鏡で見えなかった250ナノメートル間隔の微細ラインパターンも、ナノレンズを用いればくっきりと拡大されて見える(右)=2
ナノレンズはカリックスハイドロキノン分子の自己組織化を通じて形成された(左)。光学顕微鏡で見えなかった250ナノメートル間隔の微細ラインパターンも、ナノレンズを用いればくっきりと拡大されて見える(右)=2
【ソウル23日聯合ニュース】回折限界を超え、光の波長より半分以上短い間隔を識別できる超高解像度のナノメートル級レンズを、国内研究陣が世界に先駆け製作した。
 浦項工科大学化学科の金光洙(キム・グァンス)教授チームは23日、髪の毛の太さより数百倍小さいナノレンズの合成に成功したと明らかにした。研究結果は英科学誌「ネイチャー」に同日付で掲載された。
 金教授チームは50~500ナノメートルのナノレンズを有機物質のカリックスハイドロキノン分子を用いて製作した。カリックスハイドロキノンは、自ら特定の構造と形態を作り出す自己組織化の性質を持っており、製作にはこの性質が用いられた。
 今回の研究はレンズがナノメートル級サイズになったことによるナノ光学現象を明らかにしたもので、新理論に基づく新たな領域を開拓したとの評価を受けている。
 金教授は「実験で得たナノレンズの特異な光学現象を正確な電磁波シミュレーションで立証し、これに対する新たな物理的現象を理論的に究明した」と説明した。ナノレンズの光学的特性は今後さまざまな研究に活用可能とみられ、次世代ナノ光学素子の開発にも応用されるものと期待される。

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