枢機卿叙任式で、パウロ6世から指輪を受け取る金枢機卿(金寿煥ホームページ)=16日、ソウル(聯合ニュース)
枢機卿叙任式で、パウロ6世から指輪を受け取る金枢機卿(金寿煥ホームページ)=16日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル17日聯合ニュース】「教会の高い垣根を崩し、社会の中に教会を根付かせなければならない」――。16日に逝去した金寿煥(キム・スファン)枢機卿は1968年にソウル大教区長に就任した際、こう語った。司教になって2年、47歳でソウル大教区長の職に就いた金枢機卿は、その言葉の通り「貧しくとも奉仕する教会、韓国の歴史の現実に賛同する教会像」を構築することに力を注ぎ、韓国社会の中にカトリック教会の地位を確立しようと努力した。また、在任中は韓国カトリック教会の歴史に残る大きな行事を相次ぎ行い、韓国カトリック教会の内外でのさらなる跳躍に大きく寄与した。
 故人はソウル大教区長就任翌年の1969年、当時のローマ法王パウロ6世から枢機卿に任命された。韓国カトリック教会史上初めての枢機卿誕生で、世界各国の枢機卿136人のうち最年少とあり、韓国カトリック教会が世界で注目を浴びる契機となった。故人も2004年に出版した回顧録「枢機卿金寿煥物語」で、当時のことを「枢機卿任命の知らせを受けた瞬間、席の高さ低さを超え、韓国教会が世界の教会から認められたという事実が最もうれしかった」と語っている。

韓国カトリック教会200周年記念信仰大会には、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世も出席。韓国殉教者103人の列聖(信仰の模範となる信者を聖人の地位に上げること)を実現するなど、韓国カトリック教会の宿願を相次ぎ成就させた。1989年10月にはカトリックのオリンピックと呼ばれる国際聖体大会をソウルで開催。ヨハネ・パウロ2世の2度目の訪韓のなかで開催されたこの大会は、世界約100カ国からカトリック信者100人余りが出席し、成功裏に終わった。韓国カトリック教会の成長を世界に知らしめた。

故人は1998年に76歳でソウル大教区長を退いたが、2005年4月に法王ベネディクト16世即位のミサに参列した。法王に接見し、新たな枢機卿任命を要請するなど、韓国カトリック教会の首長としての責務を尽くした。

 金枢機卿が教区長を務めた30年あまりの間、ソウル大教区は目覚しく拡張し、48本堂・信者14万人から、197本堂・信者121万人余りへと成長した。金枢機卿は韓国カトリックの跳躍と軌を同じくした。

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