【ソウル7日聯合】韓国の科学技術分野における核心課題は、主要企業が技術的に世界をリードする位置を維持できるよう、革新体系を生み出すことだと指摘された。
 経済協力開発機構(OECD)が先ごろ発表した2008年度版「科学・技術・産業アウトルック」で分析したもの。革新は過去数十年間に輸入された海外技術の適用と改善とともに、韓国がOECD先進国に追いつくに当たり重要な役割を担ったと評価したが、高い生産性を維持し技術的にさらに先を行くには、解決すべき課題が複数あると指摘した。

 報告書は、韓国が歩んできた開発の道が革新体系の方向を決定したと述べている。財閥主導による産業化で大企業が生まれ情報通信技術に集中することになった一方、大学は教育が中心となり、研究開発(R&D)における役割が小さくなる傾向があったと評した。また、中小企業と公共部門間の協力や国際的な連携がほとんどなく、その結果、R&Dは全般的に国内民間部門がリードしてきたと分析した。韓国のR&D投資は国内総生産(GDP)の3.2%(2006年ベース)で、OECD諸国でも先頭グループに属するものの、全体の75%を企業が行っているため、基礎よりも開発研究が強調されていると強調した。

 R&D投資の成果については、過去10年間に米国、日本、欧州連合(EU)で同時に特許を登録する「三国特許」が大幅に増加し、人口比の特許件数はOECD平均を超えているが、これら特許の大部分はレベルが低く、技術分野での活用性は疑問視されると評価した。

 報告書は結論として、韓国が直面する課題は、自国の主要企業が技術的に世界の先頭グループを維持するよう革新体系を創出することだと指摘した。同時にほかの経済部門の革新も促した。

 OECDはまた、大学の能力と研究基盤開発は持続して支援を行い、公共部門で創出される知識を民間部分に拡散させる努力も重要だと述べた。広範囲に革新を支援できるよう規制環境を改善することも必須だとした。

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