裁判所登記情報広場によると、ソウルのマンション・オフィステル・多世帯・連立住宅などの集合住宅の贈与登記件数は計7437件と集計され、昨年の同期(5934件)に比べて25.3%急増した。2022年には1万2142件だった住宅贈与の件数は2023年に6011件、2024年に6549件と停滞していたが、今年になって再び急激に増加している。
住宅価格がすでに上がっている状況で、融資規制により購買力が制限され、贈与を選択する流れが反映されているためと分析されている。月別のデータで見ると、贈与は下半期になるほど増えている。1月に419件だった贈与登記は5月に688件、7月に740件と緩やかに増えていたが、9月には881件にまで増加した。その後10月(837件)と11月(717件)も例年の水準を上回る高い件数を維持している。
ソウルの中でもカンナム(江南)エリアの3区など資産価値が高い地域で贈与件数が増える傾向が一層目立っている。江南区の1月から11月の贈与件数は651件で、ソウル市の25の区の中で最も多かった。これは前の年に比べて21.7%増加した数値だ。
増加率で見ると、ソンパグ(松坡区、518件)とソチョグ(瑞草区、471件)がそれぞれ前年同期比51%、60%増えた。「ハンガン(漢江)ベルト」に分類されるヨンサング(龍山区、56.9%)、ソンドング(城東区、47.3%)、クァンジング(広津区、42.9%)、マポグ(麻浦区、40.6%)などでもソウル市の平均上昇率を大きく上回った。この他にもヤンチョン(陽川区)で昨年の2倍にあたる546件の贈与が行われた。
市場では売買・融資規制の強化により取引の減少が続く中、住居価格の高止まりと保有税引き上げの可能性、公示価格の上昇見通しなど、税負担要因が重なり贈与を選択する事例が増えているものとみている。融資に続いて規制地域(投機過熱地区・調整対象地域)や土地取引許可区域の拡大など、全方位的な規制により売買取引が阻まれ、保有税の負担を懸念した物件主らが「損をしてまで売るよりも譲渡する」という判断をしているということだ。
匿名で回答したある税理士は「最近江南区・瑞草区と再建築地域を中心に贈与関連の問い合わせが増えている」と語り、「取引が行き詰まった状況で適正価格を受け取って売買できないとの判断と、最大4年までチョンセ(保証金賃貸)の借り主を探さなければならないとの懸念が重なり、贈与を選択するケースが増えているようだ」と語った。
特に、韓国政府が保有税の引き上げの可能性を残しているために、市場の心理的な混乱が大きくなっているとの見方も出ている。相次ぐ不動産価格対策にもかかわらず市場が沈静化しないため、韓国政府は連日保有税引き上げの必要性に言及し、引き上げの可能性を高めている。10月15日に予告した税制改編のための部署を作り、専門チームを構成中だ。
問題は、贈与の急増が市場に出回る物件数を制限させる点だ。贈与によって実際の取引市場に出てくる物件数が減ると需給の不均衡が生じ、売買価格はもちろん、チョンセや賃貸価格まで刺激する恐れがある。ヨンセ(延世)大学サンナム経営院のコ・ジュンソク教授は「家族間の贈与は、この物件が市場に出てこないのと同じ話だ」と述べ、「贈与が増えれば所有主の保有期間が長くなり、物件数の不足はさらに激しくなるばかりだ」と指摘した。
さらにコ教授は「再建築マンションは今後の入居を念頭に置き、事前に子供に贈与するケースが多い」と述べ、「規制を解除してこそ売り物件が市場に出回って価格を調節するはずだが、税負担が過度なために売るよりも贈与の方が良いと判断している」と分析した。続けて「結局、供給不足のほこ先は住宅を持たない庶民に向けられる可能性が高い」と懸念している。
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