ロイター通信によると、16日(現地時間)のニューヨーク商業取引所(NYMEX)では、米国産WTI(西テキサス産原油)が前日比1.55ドル(2.73%)安の1バレル=55.27ドルで取引を終えた。ロンドンICE先物取引所では、ブレント原油が1.64ドル(2.71%)下落し、1バレル=58.92ドルで引けた。
WTIは取引時間中、一時1バレル=54.98ドルまで下落した。WTIが1バレル=55ドルを下回ったのは、2021年2月以来、4年10カ月ぶりとなる。
ウクライナ戦争を巡る地政学的リスクが緩和され、国際原油価格に下押し圧力を加えている。ドナルド・トランプ米大統領は、25日のクリスマスを期限として、ウクライナに対しロシアとの和平合意を受け入れるよう圧力を強めている。ウクライナ側も最近、米国が安全保障を約束する場合、北大西洋条約機構(NATO)加盟の推進を断念する可能性があると表明し、いくつかの主要争点で米国との接点を見いだしつつある。
ウクライナとロシアが終戦に合意すれば、国際原油市場で制裁を受けていたロシア産原油の取引が再開される見通しだ。ウクライナによるロシアの石油インフラへの攻撃に対する懸念も後退する。ロシア産原油に対する米国の制裁が解除されれば、OPECプラス加盟国が市場シェア拡大を狙って増産に踏み切る可能性もある。
今年に入りOPECプラス加盟国が増産を続ける中、中国経済の減速懸念も原油価格を押し下げる要因となっている。中国国家統計局は15日、先月の小売売上高が前年同月比1.3%増にとどまったと発表した。これは市場予想および10月の伸び率をともに下回る結果だ。世界最大の原油輸入国である中国が、最近の原油供給増を吸収しきれないのではないかとの懸念が広がっている。
KPMG米国のエネルギー戦略責任者であるアンジー・ギルディア氏は「最近の原油価格の下落は、原油エネルギー市場における供給過剰と需要低迷を如実に示している」と述べ、「政策介入や地政学的リスクが生じない限り、原油価格の弱含みは来年まで続く可能性がある」との見方を示した。
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