「必ず正さなければならない」…俳優オ・ヨンス氏無罪に憤りの声=韓国
「必ず正さなければならない」…俳優オ・ヨンス氏無罪に憤りの声=韓国
韓国の俳優オ・ヨンス(81)氏の強制わいせつ容疑に対する無罪判決を受け、アン・ヒジョン前忠清南道知事の性暴力事件の被害者であるキム・ジウン氏は、「逆行する控訴審判決は必ず正さなければならない」と主張した。

 15日、聯合ニュースによると、キム氏は前日、韓国女性民友会などが主催し、ソウル瑞草区にある民主社会のための弁護士会(民弁)大会議室で開かれた「演劇界性暴力判例評釈会」で、このように語った。

 オ氏の裁判を傍聴したというキム氏は、「被害者を保護しない裁判のやり方が繰り返された」とし、「被害者の人権よりも加害者により深く感情移入した司法を再び目の当たりにした」と訴えた。

 さらに、「誰の人権も、どんな夢も踏みにじられてはならない」とし、「性暴力被害者の夢はあまりにも簡単に小さくされ、加害者の名声や経歴は失うものが多いという理由で、むしろ守られている」と声を詰まらせた。

 キム氏は最高裁に向けて、「どうか目を背けないでほしい。文化芸術界の構造的問題、『被害者らしさ』という古い基準とミートゥー歪曲フレーム、権力型性暴力の本質を真正面から見てほしい」と訴えた。

 オ氏は、演劇公演のため地方に滞在していた2017年、散策路で劇団員のA氏を抱きしめ、A氏の住居前でほほにキスをするなど、2回にわたり強制わいせつを行ったとして、2022年11月に在宅起訴された。

 一審裁判部は昨年3月、「被害者の主張は一貫しており、実際に経験しなければできない供述だ」として、オ氏に懲役8カ月、執行猶予2年、性暴力治療プログラム40時間の履修を命じた。

 しかし、被告人と検察の双方が控訴し行われた二審では、先月、「時間の経過により被害者の記憶が歪められた可能性があり、公訴事実に記載されたように被告人が強制わいせつを行ったのか疑いが生じる場合には、被告人の利益に従うべきだ」として、一審判決を破棄し、無罪を言い渡した。

 控訴審はまた、「同僚としての抱擁だと思ったが、普段より強く抱きしめられたという被害者の主張は礼儀的な抱擁の強さと、どの程度異なるのかが明確に比較されておらず、抱擁の強さだけで強制わいせつ罪が成立すると見るのは難しい」と判断した。

 この控訴審判決に対し、被害者側は「司法が下した嘆かわしい判決は、性暴力が発生する構造と上下関係の構造を強固にすることに加担する恥ずべき宣告だ」と反発した。検察も判決を不服として上告した。
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