これは保護貿易主義が強まる中で成し遂げた貴重な成果だが、その裏側をみると懸念が大きい。なせなら、大部分の成長が「半導体」によるものだからである。
半導体を除くと1~11月の累計輸出額はむしろ1.5%ポイント減少し、一般機械・鉄鋼・石油化学・2次電池など伝統的な産業の多くは不振が続いている。漸弱(ぜんじゃく)な輸出構造が露わになった格好だ。
半導体が輸出効果により韓国経済の支えとなっていることは喜ばしいことだが、過度な依存は心配だ。
半導体は世界情報通信産業のサイクルやAI投資の流れにより、需要と価格が急激に変動する。不況となれば、輸出だけでなく雇用・財政など経済全般が同時にダメージを受けざるを得ない。これに加え、大企業中心の輸出構造も弱点の一つである。
大企業は最近、グローバル競争力確保のため海外での生産を増やしている。これにより国内の部品・中間材産業が委縮することになり、産業生態系のバランスと活力は低下するしかない。
韓国の輸出環境は現在、かつてないほど厳しい状況である。中国の産業台頭や低価格の攻勢により、輸出企業たちの競争力は弱まっている。さらに米国による関税負担まで加わることで、企業はとてつもない苦境に直面している。
輸出中心の韓国経済の構造において急がれるのは、産業全般を根本的に強化することだ。伝統的な産業はAI時代に合わせ体質を改善し、新産業が成長できる土壌を早急に整えなければならない。また、労働環境や規制緩和・政策的支援も必須だ。
しかし企業たちは今、政府に対しそのような確信を持てずにいる。まずは企業から信頼されることが重要である。
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