香港の火災惨事を受け…イベントの中止・延期が相次ぐ

55人が死亡した香港の火災惨事の影響で、予定されていた現地イベントが相次いで延期されている。

　27日、香港のサウスチャイナ・モーニングポストなどによれば、30日に開催される予定だった国際自転車大会「サイクロソン」は、開催の可否が不透明な状況だという。主催側が通常通りの実施について協議を進めていると伝えられている。

　国際救援開発機構オックスファムが28日から30日まで開催を予定していた「トレイルウォーカー」イベントも延期となった。オックスファム・トレイルウォーカーは、4人1組で100kmを完走する寄付プロジェクトで、第1回が1981年に香港で始まり、現地では意義あるイベントとして知られている。

　オックスファム側は声明で「火災に深い悲しみを覚え、犠牲者と負傷者のご家族にお悔やみを申し上げる」と述べた。

　AFC（アジアサッカー連盟）チャンピオンズリーグの試合については予定通り行われるが、試合前に黙祷の時間を設ける予定だ。

　文化界にも影響が及んだ。この日、ディズニーアニメ『ズートピア2』の試写会が中止となり、現地歌手ジェイス・チャンのコンサートチケットの販売スケジュールも延期された。

　韓国の音楽イベント「MAMAアワーズ」は予定通り開催される。ただし追悼の雰囲気に合わせ、レッドカーペットイベントは中止されることになった。また、授賞者として登場する予定だった俳優ミシェル・ヨーやチョウ・ユンファなど香港スターの出席も不透明になっている。

　香港の火災は26日午後、北部の大埔地区にある32階建ての高層マンション群で発生し、55人が死亡したとされる。行方不明者も279人にのぼるなど被害規模は大きい。現地では、1948年に176人が死亡した倉庫火災以来の大事故になるのではないかとの懸念が出ている。