三養食品のチョン・ビョンウ専務=(聯合ニュース)
三養食品のチョン・ビョンウ専務=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】今年の年末、韓国の流通・食品大手の役員人事で創業家3世が相次いでスピード出世した。大企業で役員になれる確率は1%にも満たないとされる中、これらの企業では創業家3世が30代で専務や副社長に昇進するケースもみられる。

 ロッテグループの辛東彬(シン・ドンビン、日本名:重光昭夫)会長の長男、辛ユヨル(日本名・重光聡)ロッテ持ち株会社副社長(39)は26日、ロッテグループの定期役員人事でロッテバイオロジクスの各自代表取締役に就任することが決まった。

 ユヨル氏は日本のロッテホールディングスに入社後、2022年のロッテケミカル日本支社常務、23年のロッテファイナンシャル社長を経て昨年、ロッテ持ち株会社の副社長に昇進した。

 先週には食品大手、農心と三養食品の創業家3世がスピード昇進した。

 三養ラウンドスクエアは17日の定期役員人事で、チョン・ビョンウ最高執行責任者(COO)常務(31)を三養食品専務に昇進させた。

 金廷修(キム・ジョンス)同社副会長の長男のチョン氏は19年に25歳で三養食品海外事業本部部長として入社して以来、スピード昇進を続けてきた。入社1年で取締役に就任し、4年目の23年に常務に昇進してから2年で専務になった。

 農心は21日、辛東原(シン・ドンウォン)会長の長男の辛尚烈(シン・サンヨル)未来事業室長(専務、32)を来年1月1日付で副社長に昇進させる内容の定期役員人事を発表した。尚烈氏は19年に平社員として入社。代理、部長、常務、専務を務めた。

 SPCグループの許英寅(ホ・ヨンイン)会長の長男、ホ・ジンス社長(48)は4日、副会長に昇進した。ジンス氏はグループ会社、パリクロワッサンの最高戦略責任者(CSO)とグローバルBU(ビジネスユニット)長としてベーカリーチェーン「パリバゲット」のグローバル事業を担当してきた。許会長の次男、許希秀(ホ・ヒス)BRコリア副社長(47)も社長に昇進した。 

 CJグループの李在賢(イ・ジェヒョン)会長の長男、李先鎬(イ・ソンホ)CJ株式会社未来企画室長(35)は18日の役員人事で、未来新事業の拡大を担う未来企画グループ長に就任した。

 オリオンの創業家3世、タム・ソウォン専務(36)が来月の定期人事で副社長に昇進するかも注目される。同社の譚哲坤(タム・チョルゴン)会長と創業家2世の李和卿(イ・ファギョン)副会長夫妻の長男であるソウォン氏は21年7月に入社し、翌年12月に常務に就任。昨年末には入社3年5カ月で専務に昇進した。  

 流通・食品企業の創業家3世は役員として未来事業を担当するケースが多い。

 入社20年を超えるというある企業の役員は、創業家3世のスピード昇進に不公平さを感じるとした上で、経営の成果を昇進理由に挙げているが、その成果が本当に創業家3世が成し遂げたものといえるか疑問だと述べた。


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