韓国国内の証券市場に過熱の懸念が出ている。コスピ(KOSPI)は年初から70%近く上昇しており、主要国の中で最も高い上昇率を記録している。銀行または証券会社から融資を受けての投資も盛んに行われている。こうした中、政府と政界が過熱をあおるような動きを見せており懸念されている。株価がどこまで上昇するかは誰にも分からない。強気だったニューヨーク証券市場もAIバブル論に足を引っ張られている。韓国の証券市場もその影響を受けて先週弱含みとなった。KOSPIが5000を突破することは簡単ではない。時間がかかり、苦痛が伴うとしても、経済体質を変える構造改革を行えるかどうかがカギとなる。

イ・ジェミョン(李在明)政権と共に民主党は「コリアディスカウント」を「プレミアム」に変えるために地道に努力している。株主の権限を強化し、経営陣の独断的経営をけん制する商法の改正は、株価上昇の好材料として作用した。自社株の消却を義務付ける第3次改正案も近く可決される見通しだ。配当所得を分離課税し、最高税率を25%に引き下げる案も与党の協議会で進められている。米韓関税交渉も先週の発表をきっかけに不確実性が消えた。このように今年KOSPIが大幅に上昇したのには政府と与党が果たした役割が大きかった。

しかし、株価に対する与党の関心には懸念される面がある。共に民主党は党内に「KOSPI5000特別委員会」を発足させた。先月下旬の党指導部会議ではKOSPI4000の突破を祝う拍手が沸き起こった。数日後にKOSPIが取引中に4000を割り込んだ際には「崩壊」との表現を自粛してほしいとの要請を出したりもした。政府の高位当局者はインタビューで借り入れをしての投資に対して「あまりにも悪く言われているが、これはレバレッジの一種だ」と述べた。

このような中、国民年金が国内の株式保有限度を高める案を検討中だとの報道まで出た。収益率を高めることができれば、年金基金は弾力的に資産配分比率を変えることができる。ただし、その決定は外部による干渉ではなく、年金基金の決定に任せるべきだ。国民年金は国民の老後の責任を負っているためだ。株価を引き上げるのは結局ファンダメンタルズだ。労働、財政、年金、教育改革により潜在成長率が高まれば、年金基金は国内株式の買いを増やす。特に来年6月の地方選挙を狙った証券市場の政治化に警戒すべきだ。
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