停滞の雰囲気が濃厚だった内需景気を上向かせた点も成果として挙げられる。財政を緩和したとの批判は受けているが、内需の雰囲気は以前より良くなっているように感じる。おかげで投資心理が回復し、KOSPIとソウルや首都圏の不動産市場も活気を取り戻している。
これに加えて外交的成果もある。予測しにくい米国のトランプ大統領を相手にした関税交渉もそれなりに善戦した。大統領室の内部では低く評価する意見もあるが、最悪の状況を免れたとの評価が大勢を占めている。優先順位が明確で、時には柔軟に対応することもできる李大統領の手腕が発揮されたと評価されている。
現時点で大統領室が最も神経を尖(とが)らせていることは何だろうか。11月の中旬時点では、テジャンドン(大庄洞)不正開発疑惑の一味に対する控訴を検察が諦めたことが挙げられる。報道官や大統領室の関係者の言葉やニュアンスを見れば分かるが、取り上げることさえしていない。
そして関心事から外されたのは現在の経済的状況だ。これまで国会を中心とした政界では経済のことは常にないがしろにされてきた。ソウルや首都圏の不動産だけが高騰し、広域市など地方の不動産価格は冷めきっている。韓国が直面している不均衡な現実がそのまま現れていると見ることができる。
KOSPIは順調に推移しているが、コスダック(KOSDAQ)は低調で、為替レートと金利も不安定だ。ドル/ウォンの為替レートはもちろん、円やポンドなどに対しても弱い。言い換えれば、依然として海外投資のための外貨需要があふれていると見ることができる。投資家の多くは依然として韓国経済の見通しを楽観視していないという意味になる。
金利もこのような部分を反映しているように見える。債券市場の金利は上昇している。国庫債クラスの優良債権として挙げられる韓国電力の債権でさえやっと入札を完了することができたという。このような金利上昇は、今後景気が浮揚するにあたって悪材料になりかねない。韓国銀行の追加基準金利の引き下げを難しくする恐れがあるためだ。
誰もが自身の信念を持って仕事を始める。しかし実際に仕事に当たってみると「そうではないかもしれない」と考えるようになる。予想もできなかったことが起こるためだ。
ハネムーン期間を過ぎた李在明政権の本格的なスタートはこれからだ。大統領室の参謀らもはっきりと感じているはずだ。国民からの理解を得ることは簡単なことではない。
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