韓国軍が8月、対北朝鮮宣伝放送のため南北軍事境界線付近に設置された拡声器を撤去している(国防部提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
韓国軍が8月、対北朝鮮宣伝放送のため南北軍事境界線付近に設置された拡声器を撤去している(国防部提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】韓国と米国の政府が運営していた北朝鮮向け放送が中止された中、韓国の民間団体が運営する「対北インターネット放送(KIS)」の発足式が11日にソウルで開かれる。KISが6日、明らかにした。

 KISは国内外の政治的な環境変化により北朝鮮に対する情報発信が途絶えているとして、北朝鮮住民の知る権利を保障するために設立されたと説明した。

 トランプ米大統領は3月、政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)やラジオ自由アジア(RFA)などを傘下に持つ米グローバルメディア局(USAGM)の機能を縮小する大統領令に署名し、VOAとRFAは事実上解体された。

 韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権は南北の緊張緩和のため、情報機関・国家情報院の北朝鮮向けラジオとテレビ放送、軍当局の北朝鮮向けラジオ放送を中止した。

 脱北者出身で弁護士のイ・ヨンヒョンKIS代表は「韓米政府が目をそらしている北の住民の情報生命線を私たちが復旧する」と強調した。

 KISは独自のアプリを開発する一方、ユーチューブやフェイスブック、インスタグラム、X(旧ツイッター)のほか、中国の快手科技(クアイショウ)、ロシアのVKなどを通じて放送を配信する計画だ。

 放送は韓国と外国の脱北者関連政策や支援情報、英語や中国語などの外国語で伝える北朝鮮関連情報、南北の文化芸術紹介などで構成される。

 北朝鮮住民のインターネット利用環境は制限的であるため、当分の間は北朝鮮の在外公館職員、海外留学生、海外派遣労働者らが対象になるとみられる。


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