映画のタイトル『I Need I』には、「僕たち(I)があなた(I)と繋がっていく(Network)」という「INI」の出発点から始まり、約4年間をメンバーとMINI(ファンネーム)の皆さんと共に過ごしてきた中で、「お互いが必要な存在(Need)」となっていくという想いが込められている。
この日の舞台あいさつは全国120カ所の劇場で生中継され、榊原有佑監督とともに撮影秘話などが語られた。メンバーが劇場に姿を現すと、大きな拍手と歓声が会場を包んだ。
最初のあいさつでは、各メンバーが全国の映画館で見ているファンに向けてメッセージを添えながら自己紹介。福岡出身の池崎理人(「崎」はたつさきが正式表記)が「小倉の皆さん、リバーウォーク見てるか! 向かいのゲームセンターでプリクラでも撮って帰ってください(笑)。今、小倉は大盛り上がりだと思います」とカメラに向かって投げかけると、会場からはどっと笑いが。佐野雄大は「僕のバイト先のみなさん、見てるか!」と以前バイトをしていたという映画館のスタッフへとピンポイントに呼びかけ、会場の笑いを誘う。長野県出身の藤牧京介は「長野で俺の母とばあちゃんが見てるんで、ばあさ〜ん!」と家族へのメッセージを送り、沖縄出身の松田迅は「沖縄! 熱いMINIたち、見てるか(シーン)。楽しめよ」と熱く呼びかけるも、静かな空気感に包まれ、メンバーの呆れた表情に観客からはクスクスと笑い声が広がった。
映画が公開されてからの反響を聞かれると、髙塚大夢は「公開初日からたくさんの人たちに見ていただけて、一回のみならずたくさん見てくださっているファンのみなさんもいらっしゃって嬉しいです。今日のライブビューイングもすぐに売り切れたと話を聞いて、本当にたくさんの方々に愛していただけて光栄です。ありがとうございます」と感想を述べた。続いて田島将吾は「反響強めなんで、イヤモニした方が良いかもしれないです」と音響の“反響”にかけたジョークを交えつつも、「僕らの普段見せていない部分を映画に込められているので、そういう部分を見てもらってよりMINIの皆さんにわかっていただいたかなというか、絆が強まったんじゃないかなと思います」と真面目な表情で語った。また、監督は普段は緊張してレビューなどは見ないとのことだったが、いいコメントばかりで自信を持てたと笑顔を見せていた。
実はこのドキュメンタリー制作が決まった当初、監督のスケジュールですでにほぼ埋まっていたという。しかし、同じ制作チームに話したところ「絶対にやりたい」との強い思いが集まり、スケジュール調整をして撮影がスタートしたそうだ。
ドキュメンタリーともあり、密着撮影が中心だった本作。撮影中に“きつかった瞬間”を聞かれると、後藤威尊は「やっぱり朝ですかね。韓国にもきてくださっていたんですけど、朝から密着してくださっていました。移動の車の中で、マネジメントからグループラインに、“今日映画の撮影入ってます。身なりに気をつけて”というLINEが入るんですけど、帽子とか被るなりして、『おはようございまーす』ってところを撮られたんですけど、映画に一切使われてないんですよ(笑)」と裏話を披露。会場は大きな笑いに包まれた。
これに対し監督は「毎回撮っていたので、使わなかったら絶対に言われるだろうなと思ったんですけど、尺もギリギリだったので…」と申し訳なさそうに弁明した。
また、許豊凡は「髪とかボッサボサで、(練習で)メイクはできないので帽子とか被ったりしていました。どうしても素顔が出てしまうので心配していたのですが、(編集したものを見て)いい感じに見せてくれてありがとうございます」と笑顔を見せ、「ツアーとかも一緒にいたので監督のチームと一緒に回っていたような感覚でした。家族みたいなチーム感が出ていました」と振り返った。
監督も「朝からいろんなところでカメラをまわさせてもらったので、邪魔にならないようにこっそり撮ろうとしていたんですけど、メンバーから話しかけてくれて、スタッフもここから撮れば良いですよって協力的だったので徐々に気が楽になって、幸せな現場でした」と語り、「INI」との絆を感じさせた。
ほぼ一緒に過ごしていたともあり、撮影量は莫大。監督によると「約50テラバイトほど撮影した」とのこと。しかしこの数字にピンとこない周りの反応に、佐野雄大が「わかりやすく言うと、僕のケータイ25台分です。僕2テラバイトなんで」と即座にフォローし、会場を笑わせた。
監督をフォローしていた佐野だが、「こんなところが使われたんだ」と思ったシーンを聞かれると、彼は「監督さんと別室で椅子に座って、1対1で真剣に話をしたのですが、まさかそこが使われるとは思わなかったです。まさか使われるとは…」と、明らかに“絶対に使われるシーン”を挙げて会場を笑わせた。
尾崎匠海は「紅白の時に…、出るか出ないかのところで隠し撮りみたいに撮っていてびっくりしました」と振り返る。すると池崎が「臨場感やばかったよね」と、カメラマンを大きく揺らして撮影していた当時の様子を再現し、会場の笑いを誘った。
続いて松田迅は、沖縄公演の際に地元でインタビュー撮影を行ったエピソードを明かした。「僕の好きな焼肉屋さんに行って、同級生も一緒に撮ってくださって、“お前らも映画デビューだぜ”みたいな感じで言ってたんですよ。でも(映画を)見たら一個も使われなかったんですよ」と苦笑い。これに対して監督は「使えることもしゃべってくれたし、友達も言葉を引き出そうと頑張ってくれていたんだけど、映画を編集している途中まで使っていて、“使います”宣言していたんです。でも最終的にはカットになりました」と説明。印象に残っているシーンを問われると、監督は「映画に入れられなかったシーンでいうと、まさに今のところです」と名残惜しそうに語りつつ、「あと、割とインタビューとかすると、皆さん真剣にしっかり言葉を預けてくれました。映画が真面目な映画になりすぎないように、みんながふざけているところをちらほら入れようと思ったのですが、理人さんと威尊さんがどう言う意味かわからないけど、ふざけてるんですよ(笑)。それを見て、大夢さんが爆笑しているという場面もあったのですが、使い所が難しくて一個も入れられませんでした」と振り返った。
木村柾哉は「50テラバイトは本当にそうで。映画の中に映っているのは一瞬でした。使いきれていないところもあるので、ぜひアザー編というか、別バージョンで理人とか含めてふざけているのを見せていただきたいなと思います」とまとめ、ファンからは大きな拍手が送られた。
イチオシのシーンを聞かれると、池崎は「メンバーの中でも言ってるんですけど、雄大が個人公演の練習中に曲振りの話をしていて、“ここの曲振りなんでしたっけ?”って言いたかったのに、多分大焦りして“ここのアクセントはなんでしたっけ?”って言い間違えているんですよ」と話し、「それって、監督は編集中にどう思ったんですかね」と監督に話を振るシーンも。一方、西洸人は「僕はマッキー(藤牧京介)とリーダーの柾哉の関係性のシーンがあるんですけど、最後の最後に、マッキーが柾哉に耳打ちするんです。そこだけ音が無音になって」と語り、その時のシーンを再現。「なんて言ったの?! なんて言ってるのめっちゃ気になるみたいな」と、イチオシの場面を振り返りながら会場を笑わせた。その耳打ちシーンについて、藤牧は「配信で柾哉に言ってるんですよ。“これまでしっかりリーダーとしてまとめてくれてありがとうね。これからもよろしく”と言っていたんです」と振り返り、撮影当時、監督も何を話していたのか分からなかったそうだが、配信を見て「こんなことを言っていたんだ」と知り、その言葉の暖かさに引かれて本編に採用したという。
映画の主題歌「君がいたから」は、池崎・尾崎・後藤・佐野・髙塚・藤牧の6人が作詞に参加した。作詞に参加した髙塚は「主題歌も自分たちで作詞するということで何を書こうかなって結構悩みました。やっぱりMINIに向けてもあるし、これまで自分たち結構忙しなかったけど、いろんなことを一緒に乗り越えてきたんだなって、何年か後になって聴き返しても思い出せるような歌詞がいいなって思って、カメラロールをさかのぼって、こんなことやっていたなって思いながら書きました。ぐっときながら書きました」と振り返った。後藤は「『君がいたから』という楽曲で初めて作詞に挑戦させていただいたんですけど。いい意味で気負わずというか。ほかに作詞が上手なメンバーがたくさんいて、絶対に素敵な歌ができるっていうのはわかるんですけど、自分が感じてきた4年間とか、自分が見てきて経験の景色を少しでも入れられたらなと思って挑戦させてもらいました」と感慨深く語る。続けて「その中で好きなフレーズがあって、2サビ終わりの、“この翼で何度でも羽ばたける”っていう歌詞がめっちゃ好きで」と話すと、「♪はば〜た〜け〜る〜」と、自分の名前が入っている部分を歌い出し、メンバーからは呆れられるが、それでも後藤は「そこを聴くたびに俺のことを思い出してください(笑)」とアピールし会場を笑いで包んだ。
この日、11月3日は「INI」デビュー4周年記念日。舞台あいさつの最後には、監督からのサプライズでケーキが登場した。大きなケーキが運ばれると、メンバーたちは「すごーい!」、「ありがとうございます」と声を上げてケーキのもとに駆け寄り、今にでも食べそうな勢いで喜びをあらわにした。
4周年を迎えた心境とこれからの1年について聞かれると、木村は「4年間いろんなことを経験させていただきました。『INI』とMINIのみなさん、スタッフの皆さんと一緒に歩んできた4年間だと思うんですけど、これからまだまだ『INI』がいろんなところで咲き誇れるように、コツコツと1日1日を前進していけるような5年目にできたらいいなと思っていますので、MINIのみなさんには5年目もあたたかく見守っていただければなと思います」と、しっかりとした口調で語った。
さらに、4周年を記念し、監督とファンで「INI」へおめでとうのメッセージを送る一幕も。
監督は「しっかりアクセントしていきたいと思います(笑)」と佐野の言い間違いをイジりながらも、「『INI』デビュー4周年」と力強くコール。続けてファンが一斉に「おめでとう!」と声を合わせ、温かい祝福の声が響いた。
最後に藤牧は「MINIのみなさん、日頃から応援ありがとうございます。デビュー当時から応援してくださっているMINIのみなさん、そして最近『INI』を知ってくださったMINIのみなさんもみんな楽しめる内容になっていると思います。まだ僕達のことを知らないという友達とかぎ家族とかがいらっしゃると思うので、ぜひみなさんを連れて、何度も映画を見ていただければと思います」と丁寧に感謝を伝え、他のメンバーも 「お願いします」と声をそろえて深くお辞儀をし、会場は温かな拍手と歓声に包まれながら幕を閉じた。
「INI THE MOVIE『I Need I』」
公開日:2025年10月31日(金) 全国公開
出演:池崎理人、尾崎匠海、木村柾哉、後藤威尊、佐野雄大
許豊凡、髙塚大夢、田島将吾、西洸人、藤牧京介、松田迅
監督:榊原有佑 武桜子 原田大誠
製作:LAPONE ENTERTAINMENT 東宝
制作プロダクション:吉本興業
制作協力:and pictures Your Films
製作幹事:東宝
配給:TOHO NEXT 吉本興業
公式サイト:https://ini-official.com/feature/movie_ineedi
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