800万ドル受け取り「薬物が入っているとはわからなかった」密輸入スイス人に実刑=韓国
800万ドル受け取り「薬物が入っているとはわからなかった」密輸入スイス人に実刑=韓国
約9万9,000人が投薬できる量のヒロポン(覚醒剤)を、韓国チェジュ(済州)島に密かに持ち込もうとした80代のスイス人に実刑が言い渡された。

2日、法曹界によると、済州地裁刑事2部イム・ジェナム部長判事は最近、特定犯罪加重処罰等に関する法律違反(向精神薬)容疑で拘束起訴されたスイス国籍の80代A氏に対し、懲役3年6か月を言い渡した。

A氏はことし3月30日、カンボジアのプノンペン空港からヒロポン2.98キログラムを旅行用かばんに隠し、航空受託手荷物として預け、香港空港を経由し済州空港に持ち込もうとしたところ摘発された。押収されたヒロポンは、通常の一回投与量0.03グラム基準で約9万9,000人が使用できる量に相当するとされている。

A氏側は裁判の過程で「名前も分からない人物の依頼であり、旅行かばんを持って入国しただけで、違法薬物が入っているとは知らなかった」として、公訴事実を否認した。

A氏側の弁護人は「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じて知り合った名前不明の人物から“プレゼントが入った旅行かばんを済州島にいる日本の銀行関係者に届けてくれれば850万ドル(約13億円)を支払う”という提案を受け、かばんを運ぶことになった」と主張した。

裁判部は「被告人がカンボジアに行くことになった経緯や、旅行かばんを持参した目的など、さまざまな事情を総合すると、バッグの中身が違法薬物であると明確に認識していたとは言いがたい」としながらも、「それが違法薬物であっても仕方がないという内心の状態を持っていたとは認められる」と判断した。

裁判部はさらに「薬物関連犯罪は、薬物を社会に拡散させるだけでなく、他の犯罪も誘発し、社会全体に深刻な悪影響を及ぼす。したがって、薬物流通を根本的に遮断するためには厳しい処罰が必要である」と述べつつ、「しかし、密輸入されたヒロポンがすべて押収され流通しなかった点や、被告人が密輸を目的として犯行に加担したわけではない点などを考慮した」と量刑理由を明らかにした。


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