「韓国の紅参、日本で老後の健康必須アイテムに」…新たな輸出の原動力として注目
「韓国の紅参、日本で老後の健康必須アイテムに」…新たな輸出の原動力として注目
日本で食品企業を経営して引退したナガセ氏(67)は、15年前に韓国の知人から贈られた紅参をきっかけに初めてその存在を知った。最初は苦味に慣れず大変だったが、1カ月ほど服用すると体が軽くなるのを感じたという。今でも彼は毎朝コーヒーに紅参を混ぜて飲んでいる。

 22日、東京・新宿の東遠ジャパン本社で出会ったナガセ氏は「健康に関心の高い友人にも勧めている」と話し、「特にゴルフ場で9ホールを回る前に紅参を1袋分けてあげると、力が湧くと喜ばれる」と笑顔を見せた。

 韓国を代表する健康食品・紅参が、日本で新たな輸出成長エンジンとして注目を集めている。従来のラーメンや海苔といった韓流食品を超え、高付加価値の健康機能食品として輸出の裾野を広げているためだ。

 昨年の日本向け人参類の輸出額は、前年(3341万ドル)より1.9%増の3406万ドルを記録した。まだ規模は大きくないが、健康機能食品市場が発達した日本では成長の潜在力が高いと評価されている。特に紅参はすべて国内農家が生産した原料を加工して輸出しているため、輸出拡大が農家の所得増加や地域経済の活性化につながる点でも意義がある。

 こうした背景の中、海苔輸出で日本市場に定着した東遠ジャパンは、最近紅参輸出市場の拡大に力を入れている。正官庄が先にザクロを混ぜた「ザクロ紅参」で日本の消費者を惹きつけたのに対し、東遠は紅参本来の味と効能で正面勝負に出たのが特徴だ。高濃縮紅参は依然として「苦くて高い」という認識があるが、一度その効果を実感した消費者がリピーターになる傾向があると判断している。

 厳しい日本の健康機能食品認証の壁を越えるため、韓国農水産食品流通公社(aT)の支援も受けた。aTは日本の九州大学と共同で臨床試験を行い、紅参のさまざまな効能を検証。日本国内で需要の高い「記憶力向上」機能を中心にPRしている。

 東遠ジャパンの河基錫(ハ・ギソク)代表は「機能性だけでなく、日本の消費者感情に合ったマーケティングで市場を広げることが課題」とし、「成長の可能性は十分にある」と述べた。

 韓流ブームの追い風を受け、韓国の新鮮な農産物の輸出も相次いで増加している。東京の韓国食材専門店「韓国広場」でもその傾向を確認できた。新大久保の韓国料理店が立ち並ぶエリアに位置するこの店は、馴染みのあるK-POPが流れる中、買い物をする現地の人々で賑わっていた。

 横浜から夫と一緒に買い物に来たマツモト氏(42)は、カートいっぱいに春雨、トッポッキ、唐辛子粉、塩辛、ラーメンなどを入れていた。彼女は「辛い料理が好きで韓国料理をよく作る」「年に1、2回東京に来るたびに必ず立ち寄る。安くて他では手に入らない新鮮な食材も買えるから」と話した。

 実際、店内で人気のコーナーはキムチと生鮮食品コーナーだ。店内奥の壁一面には「宗家キムチ」と自家製キムチがぎっしりと並び、生鮮コーナーにはエゴマの葉やミナリなど韓国産野菜が並んでいた。キムジャン(キムチ漬け)シーズンを前に、韓国産大根の販売も始まっている。

 韓国広場のペク・ゲフン課長は「ラーメンやお菓子は以前から人気だったが、韓国料理ブームの高まりで、他では手に入りにくい韓国産農産物を買いに来るお客様が目に見えて増えた」と話した。

 このように成熟市場と見なされていた日本でも、さまざまな韓国農産物の輸出が試みられ、ビジネスチャンスが生まれている。ただし、最近の異常気象などによる国内供給不安は解決すべき課題だ。天候の影響で国内生産量が減ると、輸出量の確保も難しくなるためである。

 aT東京支社の尹尚永(ユン・サンヨン)支社長は「国内供給が不安定な状況で輸出まで進めると、国内価格がさらに上昇してしまうため、輸出を減らさざるを得ない構造だ」と指摘した。そのため、気候に左右されず安定生産が可能なスマートファームの普及や品種開発が不可欠だと強調し、「輸出拡大の前に、まず国内供給の安定が優先だ」と述べた。
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