核燃料の濃縮や使用済み燃料の再処理などの安保分野も主要な議題になっており、一部では一括合意を予測していた。しかし、大統領室と米韓の政府はその可能性を高く見ていないのが事実だった。李大統領は最近、ブルームバーグとのインタビューで「韓国に致命的な結果を招いてはならない」と述べていたのがその証拠だ。このような状況でも対米投資ファンドの年度ごとの投資限度を200億ドル(約3兆500億円)に設定したうえ、元本回収の安全装置の導入を決めたことなどは、成功の可能性が希薄だった今回の交渉で韓国側が収めた大きな成果だ。相互関税率を15%に引き下げ、競争国に比べて不利にならないようにしたことも肯定的に評価されている。
交渉が合意に至ったことにより、前年比13%前後の減少が予想されていた韓国企業の対米輸出は胸をなでおろすことになった。交渉を早期に終えたことで、米国と経済・安保同盟の黄金時代を開いた日本と関税戦争の休戦サインのみが残された中国と違い、韓国のみが北東アジア3国のうちで米国の関税賦課に直面する事態も避けられることが決まった。トランプ大統領の朝鮮王国再建の野心と韓国の造船業に対する信頼が今回合意に達することができた要因だとみられている。
人工知能(AI)やバイオ、宇宙などの先端科学分野の技術同盟の強化に合意し、核潜水艦燃料の確保の話題を取り上げたことも、今回の会談のもう一つの成果だ。「韓国にGDPの6.5%に相当する投資を迫ることは実現可能性がない」とトランプ政権を批判する米国の世論が続出したことも、韓国側にプラスとして作用したものとみられている。崖っぷちの局面でも忍耐と知恵により被害を最小化した韓国政府の交渉チームと企業の努力が勝ち取った劇的合意だ。
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