麻薬、軍隊にも浸透か…5年間で現役軍人を含む麻薬犯69人検挙=韓国
麻薬、軍隊にも浸透か…5年間で現役軍人を含む麻薬犯69人検挙=韓国
韓国軍では過去5年間に、現役軍人など計69人が麻薬類犯罪で摘発されていたことが明らかになった。裁判や捜査の結果、処分が下されたにもかかわらず、兵士への内部懲戒が行われなかったり、休暇短縮や軍規教育といった軽い処分に留まるケースが多いことが分かり、軍内部の統制システムの強化を求める声が出ている。

 23日、国会国防委員会所属の与党「共に民主党」の パク・ソンウォン(朴善源)議員が韓国国防省から入手した「麻薬事件現況」によると、2021年から2025年上半期(6月)にかけて、陸軍で56人、海軍および海兵隊で11人、空軍で2人が麻薬類の投薬、吸引、所持、共謀などの容疑で処分を受けた。

 陸軍で、麻薬類事件で摘発された者の内訳は、兵士が39人で最も多く、次いで副士官14人、将校1人、候補生1人、軍務員1人の順だった。このうち31人が内部懲戒を受けていなかった。2023年にメタンフェタミン(別名ヒロポン)投薬容疑で懲役刑を受けた副士官2人は解任された。一方、昨年メタンフェタミン投薬などの容疑で懲役刑を受けた常勤兵士4人は、内部懲戒さえ受けていないことが調査で判明した。

 その他、陸軍の麻薬類事件における内部懲戒の詳細は、軍規教育6人、解任6人、休暇短縮3人、降格4人、減俸2人、その他5人の順だった。

 処分の内訳は、軍外に移される処分が14人で最も多く、不起訴・起訴猶予・執行猶予がそれぞれ8人だった。軍外への機関へ移動が7人、懲役刑が6人、罰金刑が2人、捜査中が2人となっている。

 海軍および海兵隊で同期間に摘発された内訳は、兵士5人、副士官4人、将校1人、軍務員1人だった。このうち6人は軍を離れ、罰金刑2人、不起訴・起訴猶予・執行猶予はそれぞれ1人だった。内部懲戒を受けていない者は2人、解任3人、停職・減俸がそれぞれ2人、降格1人、休暇短縮1人という結果だった。

 海軍および海兵隊では、エクスタシー投薬などの容疑を受けたが不起訴となった兵士1人と、大麻吸引などで摘発され軍外に移された兵士1人が内部懲戒を受けていない。海兵隊は昨年、メタンフェタミン投薬などの容疑で軍を離れた下士官3人を解任した。また、2021年に大麻投薬が摘発され執行猶予を受けた下士官と、2022年にメタンフェタミン投薬などの容疑で罰金刑を受けた少佐に停職処分が下されている。

 空軍では2023年にメタンフェタミンを投薬した兵長が軍外に移され、降格処分を受けた。2024年にゾルピデム投薬が摘発された下士官は起訴猶予処分を受け、譴責(けんせき)処分が下されている。

 韓国軍は最近、麻薬犯罪への対応を強調しているものの、内部統制が依然として不十分だとの指摘が聞かれる。兵務庁は昨年7月から、入営判定検査対象者と現役兵募集身体検査対象者全員に対して麻薬類検査を導入。検査結果を国防省に通報し、履歴を管理できるようにした。

 しかし、入営後の再検査や抜き打ち検査などが定着していない上、除隊する兵士らを対象とした内部懲戒が適切に行われていないとの批判がある。朴議員は、「軍内の麻薬犯は早期摘発が鍵だ」とし、「捜査後にしか明るみに出ない現状を変え、懲戒と内部統制システムを併せて強化すべきだ」と強調した。
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